「社員同士では‘為替レートの津波’と呼んでいる。導入費用は急増したのに無策のままで、心配だ」--。
輸入車会社、ホンダ・コリアのパク・ジョンソク取締役はこのように嘆いた。同社は今年に入り月平均1万台以上を韓国内で売り、業界トップの座を固めたが、第4四半期の決算で赤字を計上することを懸念している。バイクを除いたホンダ・コリアの製品は100%円で代金を決済することから、ウォン安円高が進めば、それだけ輸入コストが上がる。だから売れ行きが好調でも心配だ。
先月、ほぼすべての輸入車ブランドの販売が減った中、「インフィニティ」は伸びた。しかしこの車を輸入・販売する韓国日産のオム・ジンファン取締役は「車がたくさん売れてもウォンが下がって心配」と話す。同社もやはり円で代金を本社に送金する。ほかの日本車輸入会社も苦しいのは同じだ。1年間ウォンの対円相場は66%も暴落した。米ドル(40%)やユーロ(27%)より下落の幅がはるかに大きい。
韓国市場に参入している日本車メーカーは収益性を憂慮し、参入の機会を考えている企業は事業計画を先送りしている。第3四半期まで国内の輸入車市場の35%を占め、絶好調ぶりをみせていた日本車が、為替レートの壁にぶつかったのだ。市場拡大戦略のあちこちにもブレーキがかかっている。
韓国市場に9月に参入した三菱は、追加ディーラーを選定する作業のため苦労した。5地域のディーラーを公募したが、京畿道盆唐(キョンギド・ブンダン)と大田(テジョン)、釜山(プサン)の3カ所でのみ応募があった。発売を控えているセダン「エクリプス」と「ランサー」の価格策定についても悩んでいる。すでに発売済みのランサーエボリューションは100円=1000ウォン台の為替レートを想定し、車の価格を6200万ウォンに策定したものだが「高すぎる」という声が上がっている。エクリプスとランサーは韓国車と競合しなければならない低廉なモデルだ。それが1300ウォン(/100円)台では、競争力ある価格帯を出しにくい。11日に日産ブランドの韓国市場参入を控えている韓国日産も同じ問題で頭を悩ませている。
ソウル江北(カンブク)地域のディーラー志願書を受け付けたが、決定できずにいる。今月市販するコンパクトSUV(スポーツタイプ多目的車)、ローグの価格を2990万ウォンと、厳しく策定してあるからだ。ホンダのヒット作のCR-Vと競合するため、このように価格を策定したものの、収益性が懸念される。韓国日産関係者は「初のモデルだから、合理的な価格帯が肝要だと本社を説得し、その価格での発売を決めた。だが為替レートがここまで急落するとは予想できなかった」と打ち明けた。
来年の韓国市場参入を目指して準備してきた各日本車メーカーは、事業そのものが不透明になった。韓国企業コーロンと合弁法人を設立し、来年4~5月に韓国市場に参入しようとしていたスバルは事業の保留方針を決めた。比較的安い大衆車であるため、こうした具合の為替レートでは価格帯を合わせることができないと判断したのだ。
マツダは当初、SKネットワークスと先月初めに契約する予定だったが、為替レートの推移を見ながら契約の時期を遅らせている。為替レートの要因だけでなく、輸入車市場自体が委縮しているという点も、日本車が韓国市場に参入する時の障害物となっている。先月輸入車全体の販売台数は約4300台にとどまった。前月(5576)比はもちろん、前年同月(4984台)に比べても少ない。
輸入車業界関係者は「このところ、展示場を訪れる顧客の足が確実に遠のいている。押し寄せていた日本車メーカーも韓国市場への販売戦略を見直さなければならないかもしれない」と話している。
輸入車会社、ホンダ・コリアのパク・ジョンソク取締役はこのように嘆いた。同社は今年に入り月平均1万台以上を韓国内で売り、業界トップの座を固めたが、第4四半期の決算で赤字を計上することを懸念している。バイクを除いたホンダ・コリアの製品は100%円で代金を決済することから、ウォン安円高が進めば、それだけ輸入コストが上がる。だから売れ行きが好調でも心配だ。
先月、ほぼすべての輸入車ブランドの販売が減った中、「インフィニティ」は伸びた。しかしこの車を輸入・販売する韓国日産のオム・ジンファン取締役は「車がたくさん売れてもウォンが下がって心配」と話す。同社もやはり円で代金を本社に送金する。ほかの日本車輸入会社も苦しいのは同じだ。1年間ウォンの対円相場は66%も暴落した。米ドル(40%)やユーロ(27%)より下落の幅がはるかに大きい。
韓国市場に参入している日本車メーカーは収益性を憂慮し、参入の機会を考えている企業は事業計画を先送りしている。第3四半期まで国内の輸入車市場の35%を占め、絶好調ぶりをみせていた日本車が、為替レートの壁にぶつかったのだ。市場拡大戦略のあちこちにもブレーキがかかっている。
韓国市場に9月に参入した三菱は、追加ディーラーを選定する作業のため苦労した。5地域のディーラーを公募したが、京畿道盆唐(キョンギド・ブンダン)と大田(テジョン)、釜山(プサン)の3カ所でのみ応募があった。発売を控えているセダン「エクリプス」と「ランサー」の価格策定についても悩んでいる。すでに発売済みのランサーエボリューションは100円=1000ウォン台の為替レートを想定し、車の価格を6200万ウォンに策定したものだが「高すぎる」という声が上がっている。エクリプスとランサーは韓国車と競合しなければならない低廉なモデルだ。それが1300ウォン(/100円)台では、競争力ある価格帯を出しにくい。11日に日産ブランドの韓国市場参入を控えている韓国日産も同じ問題で頭を悩ませている。
ソウル江北(カンブク)地域のディーラー志願書を受け付けたが、決定できずにいる。今月市販するコンパクトSUV(スポーツタイプ多目的車)、ローグの価格を2990万ウォンと、厳しく策定してあるからだ。ホンダのヒット作のCR-Vと競合するため、このように価格を策定したものの、収益性が懸念される。韓国日産関係者は「初のモデルだから、合理的な価格帯が肝要だと本社を説得し、その価格での発売を決めた。だが為替レートがここまで急落するとは予想できなかった」と打ち明けた。
来年の韓国市場参入を目指して準備してきた各日本車メーカーは、事業そのものが不透明になった。韓国企業コーロンと合弁法人を設立し、来年4~5月に韓国市場に参入しようとしていたスバルは事業の保留方針を決めた。比較的安い大衆車であるため、こうした具合の為替レートでは価格帯を合わせることができないと判断したのだ。
マツダは当初、SKネットワークスと先月初めに契約する予定だったが、為替レートの推移を見ながら契約の時期を遅らせている。為替レートの要因だけでなく、輸入車市場自体が委縮しているという点も、日本車が韓国市場に参入する時の障害物となっている。先月輸入車全体の販売台数は約4300台にとどまった。前月(5576)比はもちろん、前年同月(4984台)に比べても少ない。
輸入車業界関係者は「このところ、展示場を訪れる顧客の足が確実に遠のいている。押し寄せていた日本車メーカーも韓国市場への販売戦略を見直さなければならないかもしれない」と話している。
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