首都圏規制緩和で各企業がひと安心できるようになった。首都圏での工場の新設・増設・移転に関する規制が大幅に緩和されるからだ。

◇工場規制緩和＝首都圏の中でも産業団地に指定された所では工場関連の規制が全面廃止される。現在は業種別に新設できる工場の規模と工場増設の上限が決まっている。工場の移転は同じ産業団地内でのみ可能だった。今後はこうした業種・規模への制限がなくなる。

これにより新製品研究所と試作品の生産ライン増設を検討していた三星（サムスン）テックウィンや物流の拠点拡大を進めている東遠（トンウォン）エンタープライズなどが負担を減らすことになった。産業団地ではない所でも圏域別に工場の新設・増設・移転に関する規制が緩和される。


首都圏で相対的に規制が少ない金浦（キンポ）、安山（アンサン）、平沢（ピョンテク）、華城（ファソン、いずれも京畿道）など「成長管理圏域」に移転できる企業に対する範囲制限が廃止される。これまでは航空産業、有線通信機器、放送機器製造業など８の先端業種だけが移転できた。

首都圏工場の統廃合を検討している大韓（テハン）電線などがいますぐに恩恵を受けることになる。しかし今回規制が緩和されても、ハイニックス利川（イチョン）工場の増設は難しいものとみられる。上水源保全に向けた有害物質（銅）への規制は持続するからだ。

◇自然保全圏域への規制緩和＝輸入高級ブランドのショッピングモール「驪州（ヨジュ）プレミアムアウトレットストア」は昨年６月にオープンする際、２棟のビルをそれぞれ別の事業体名義で登録した。１万５０００平方メートル以上にのぼる商業ビルは驪州・利川・楊平（ヤンピョン）などといった自然保全圏域に建設できないという規制のためだった。

今後はこうした地域でも商業ビルやオフィスビルに対する面積制限がなくなる。また観光地造成事業への面積制限（６万平方メートル）も廃止され、大規模なリゾートの建設が可能になる。

遊園地「竜仁（ヨンイン）エバーランド」の周辺や楊平の漢江沿いに大規模なリゾートを建設できるのだ。ただ水質汚染を防ぐため、各市と郡が汚染物質排出総量を決めて規制する「汚染総量制」を義務（来年４月）付けるのを前提に規制が解除される。