|
世界的な景気後退により原油価格だけでなく、銅やニッケルなどの原材料価格が落ち込んでいる。米国発の金融危機直後に安全資産として脚光を浴びていた金の価格も急落を避けられずにいる。
ブルームバーグによると、主要原材料24品目の価格を反映したスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のGSCI商品指数は今月に入り27日までで33%も下落した。すでに1バレル当たり50ドル以下に落ちている中東産ドバイ原油に続き、ニューヨーク商業取引所(NYMEX)では27日に取引された12月引渡し分の米国産標準油種(WTI)も前日より93セント(1.4%)下落の1バレル=63.22ドルを記録した。これは昨年5月以来の低水準で、今年7月11日に記録した最高値の147.27ドルから57%落ち込んだもの。
石油公社関係者は、「世界の景気後退で原油需要が鈍化するという見通しから原油価格が下落した。中国の経済成長率が1けたに落ち、9月の需要が昨年同月から2%の増加にとどまったことも原油価格下落の大きな要因だ」と指摘した。
金属価格も大幅に落ち込んでいる。6種類の金属で構成されるロンドン金属取引所(LME)指数は、先週に15%以上下落したのに続き、27日も下落傾向が続いた。銅・アルミニウムの価格は27日のロンドン市場でそれぞれ3年来の低水準に落ち込んだ。
不況で脚光を浴びていた金もドル高の前にひざまずいた。ロンドン地金市場協会(LBMA)で今月初めに1オンス=900ドル以上で取引されていた金の価格は700ドル台前半まで急落した。金は当初、ドルに代わる安全資産の役割をするとの期待から価格が急騰していた。
金融機関は相次いで原材料価格の見通しを引き下げている。メリルリンチは銅・ニッケルなどの来年の見通しを30~40%ずつ下方修正した。新栄(シンヨン)証券のキム・ジヒ研究員は「景気減速で原材料需要が急減した上、原材料に集まっていた投機需要がドルに流れたことが最近の原材料価格急落の背景だ。金融危機が落ち着き、景気低迷が長引くなら今後金の価値は上がり、ドルの価値は落ちる可能性が大きい」と分析している。
CNCマーケットの外為専門家アシラフ・ライディ氏は27日、ヤフー・ドットコムで「ドルは長期的に見ると、急膨張する米国の財政赤字意と通貨政策基調緩和のために弱くなるのは確実視される」との見通しを示した。
この記事を読んで…