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経済学の教科書に逆行する韓国

最近、韓国が体験している危機を見ると、首をかしげることが少なくない。

経済指標を見ると、アジア通過危機の際とは比較にならないほどだ。外貨準備高は世界6位で製造業者の負債比率は100%にも至らない。外国から借りた金よりも、受け取る金の方がまだ多い。それでもウォンは今年に入り、51.9%も急落している。株価も半分が暴落した。中央銀行がドルをばら撒いているが、市中ではドル不足は解消しない。最近、韓国経済を悩ませている3つのミステリーを解いてみるとしよう。

①タイよりも不渡りの危険が高い?


=24日、韓国政府が発行した外国為替平衡基金債権の“クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)”プレミアムは6.05%になった。世界61カ国の平均値(5.54%)を初めて上回った。CDSプレミアムとは債権が不渡りになった際、これを代わりに引き受けて取り引きする対価として受ける手数料のことだ。韓国のCDSプレミアムはマレーシア(4.6%)、タイ(4.5%)よりも高くなっている。国際金融街では韓国政府により発行された債権不渡りの危険をマレーシアやタイの債権よりも高く見ているという。韓国の経常収支赤字が8月まで126億ドルにのぼったうえ、銀行の短期外債が900億ドルを超えたことが原因となっている。

②韓国ウォンは国際金融街の問題通貨

=今年のウォン安の下落幅はインドネシアのルピアやマレーシアのリンギット、タイのバーツよりも落ち込んだ。日本資本の離脱により金融危機を体験しているオーストラリアドルよりも大幅に落ち込んでいる。ウォンの急激な下落はドルが韓国から一度に流出してしまったことにある。過去4カ月間、国内証券市場から流出した外国人資金は150億ドルでアジア主要国のうち最も多かった。9月までの貿易収支赤字も146億7500万ドルにのぼっている。外国人による韓国株式の売り渡しは当分のあいだ続く公算が高い。急激なウォン下落の傾向を食い止めるには、まず貿易収支赤字を減らすほかない。

③青蛙CD金利

=普通、韓国銀行(韓銀)が金利を下げれば、譲渡可能定期預金証書(CD)をはじめ、短期金利も下がっていく。ところが、韓銀が9日、基準金利を0.25%ポイント下げたにもかかわらず、CDの金利は逆に0.22ポイント上がった。銀行の住宅担保貸し出し金利はCDの金利に連動することから、CDの金利が上がると、庶民の住宅担保貸し出し利子の負担も重くなる。CDの金利がこのように上がった理由には、銀行の金脈が乏しくなったことに加え、証券会社などの資金状況が急を要したからだ。銀行に金が戻ってこないため、銀行はCDの発行を増やして資金調達をする。ところが銀行が危いという不安が拡大し、CDを買う投資家は姿をくらました。

そこに金が急に必要となった証券会社などが持っていたCDまで売り払ったため、金利が跳ね上がったのだ。



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