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対米強硬策で味をしめた北朝鮮、次の狙いは韓国(1)

北朝鮮が、米国からテロ支援国指定解除を獲得してから4日後の16日、新たに砲門を韓国に向けた。この日、朝鮮労働党機関紙の労働(ロドン)新聞を通じ「最高の尊厳への棄損」に触れた後「6.15宣言、10.4宣言の履行」を求めた(訳注:「6.15宣言」は2000年6月15日の南北共同宣言、「10.4宣言」は昨年10月4日の南北首脳宣言)。そして「南北(韓国・北朝鮮)関係の全面遮断」という強硬カードも取り出した。金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の重病説が浮上し守勢に立たされていた北朝鮮が対米強硬策で成果を出した後、自信を得て韓国への攻撃に乗り出したのだ。

労働新聞の隠された要旨は「金委員長の重病説を浮上させて最高の尊厳を傷つけた韓国当局と、金委員長を誹謗(ひぼう)するビラを散布した韓国側団体の行為をこのまま見過ごさない」という脅威だ。今後、最悪の事態を防ぐためには、韓国当局が10.4宣言の履行を約束し、大々的な北朝鮮への経済協力と支援を即刻行えという意味も含まれている。

北朝鮮が朝米関係で体制保障という象徴的な成果を得たとすれば、韓国との関係では実利を得たいという本音をあらわにしたのだ。そうしない場合、南北関係は全面中断されるから、二者択一をするように、という警告だ。


北朝鮮は最近、脱北者団体が北朝鮮に送ったビラに対し、極度に鋭敏な反応を見せた。自由北韓運動連合のビラには「朝鮮が亡びたのは金日成(キム・イルソン)、金正日のためにすべての人民と資源を動員したからだ」「偽りと偽善で神格化された金正日を打倒してこそ、人民が生きる」などと、北朝鮮当局としては神聖冒涜(ぼうとく)も同然な批判が含まれていた。

脱北者団体総連合側は「今月11日のビラには金委員長の重病説も紹介した」と伝えた。北朝鮮へのビラは前政権でも続いていた。それなのに突然北朝鮮がむきになって問題視したのは、金委員長の重病説が北朝鮮内部に広がっている状況で、ビラが住民の動揺に影響を与えたためではないか、という見方が出ている。





対米強硬策で味をしめた北朝鮮、次の狙いは韓国(2)

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