兵法に関して最高の権威が認められている孫子は、間諜を運用するのに５つの方法があるとしている。 相手地域の一般人を利用して間諜行為をさせる方法が最初だ。 その名称は‘因間’。 人の間の一般的な関係を利用するという意味で付けられた名前とみられる。

次は相手の官吏を買収する方法だ。 いわゆる‘内間’だ。 主要な情報が流れる官公署内部の人を利用するもので、非常に効率的になりうる。 相手が派遣した間諜を逆に利用するのが‘反間’だ。


この反間の計は、『三国志（三国演義）』で、周瑜が曹操陣営から派遣された蒋幹という人物を逆に利用し、曹操によって水戦に優れていた蔡瑁と張允が処刑されるという故事で有名だ。 降伏を勧めるために隠密に近づいてきた蒋幹に、蔡瑁と張允が作成したという偽の投降書を見せることで、相手の陣営を混乱させた計策だ。

意図的に誤った情報を広め、その嘘の情報を相手側に入れるのは‘死間’だ。 やはり最終的に過った判断を誘導する。 最後に間者を敵陣に送り込んで情報を入手し報告させる方法が生間だ。

間諜はよく‘間細’とも呼ばれ、最近では事情を探る人という意味の‘諜者’、密かに偵察する人という意味の‘密偵’としても使われる。 孫子を見ると、間諜の歴史はかなり古いようだ。

「間」という字は一般的に「あいだ」を意味するが、動詞として働く時は人を分裂させるという意味を含んでいる。 相手に和合させず、結局、分裂と反目に導く行為だ。 間諜の究極的な目標はしたがって離間だ。 人の仲を裂く離間だ。

２００４年に陸軍士官学校に入学する学生を対象に行ったアンケートで、「韓国の主敵が誰か？」という質問に対し、３４％が米国を選んで驚かせたのは記憶に新しい。 最近行われた小中高生対象のアンケート調査で、小学生の３５．１％が「韓国が韓国戦争（１９５０－５３）を起こした」と答えた。 これほどなら国家の正統性が深刻な脅威にさらされることも考えられる。 誰が、どのように韓国社会を分離していているか、この際、深刻に考えてみる必要がある。