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「スターよりは“あっ、のだめだ”“瑠可だ”と呼ばれる方がうれしいですね。それだけ自分が役柄に没頭し、みなさんが身近に感じるいいキャラクターだったということですから」--。
韓国ファンに人気の高い日本人女優・上野樹里(22)が釜山(プサン)映画祭に訪れた。“のだめ”と“瑠可”は日本のドラマ『のだめカンタビーレ』『ラスト・フレンズ』で演じた配役の名前だ。
今回の映画祭には犬童一心監督の新作『グーグーだって猫である』(16日公開)で招請された。猫と暮らす女性漫画家(小泉今日子)が主人公で、上野は漫画家を補助する助演役だ。上野は犬童監督の演出について「エアブラシを吹き付けるように俳優を自分の世界の色に染め、没頭させる。男性の視点で見る女性ではなく、中性的な視覚で女性を描いているのが魅力的だ」と話す。
実際に会った上野は化粧気のない飾らぬ姿で、中性的な魅力を放っていた。女優になったいきさつを尋ねると「考えもしていなかったこと」とし「ドラマや漫画もあまり見ず、音楽やファッションにも関心がありませんでした。姉が見ていたファッション雑誌で募集していたモデル公募に応募して広告モデルになったんです。そしてドラマや映画もオーディションを受けました」
上野は演技のやりがいとして「作品を見た人と互いに気が合い、知らない人とも友達みたいになれるから」と話す。「アジア各国をはじめ、オーストラリアからも悩みを相談するファンレターをもらいます。役者でなければ、自分に親しみを感じてはくれなかったでしょう。私にとってファンのみなさんは貴重な存在なんです」
上野は「スターになることは目標ではない」ときっぱり言う。「映画は運動競技でないと思うんです。オリンピックのように金メダル、銀メダルがあるのではなく、作品の一つ一つが大切なんです」。野田が今回、釜山を訪れ、多くの韓国人俳優から「ファンです」とあいさつされ、このような歓迎ぶりに上野自身も驚いたという。上野は「日本に戻ったら、これらの方々の作品を是非見たいです」と話している。
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