‘国民俳優’チェ・ジンシルさんの自殺が韓国社会に大きい衝撃を与えている。 チェ・ジンシルさんの自殺を模倣した第２、第３の自殺が相次いでいる。 ‘生命思想’を繰り広げてきた詩人の金芝河（キム・ジハ）さんにインタビューした。 １９７０年代の代表的な‘抵抗詩人’で、８０年代以降は生命活動家として活動してきた金芝河さんは、最近の自殺現象をどう見ているのか。

－－チェ・ジンシルさんの自殺による衝撃が非常に大きいが。


「アン・ジェファンさんもそうだが、芸能人は基本的に感性的だ。 株価変動のように休む間もなく推移する人気度によって、放送局からコールが来るか来ないかが決まる。 世の中の評価に敏感になるしかない。 特にチェ・ジンシルさんのように名声のあるタレントがサラ金と関係があるというような噂が広がり、耐え難い屈辱感を感じたのだろう。しかしそうだしても、チェ・ジンシルさんが残した子どもたちのことを考えれば、無責任ではないかという考えが消えない。 自分の命だといっても自分だけのものではない。 家族はもちろん、社会とも相互に関連している。 自分に対する信頼を裏切って捨てることだ」

－－それほど苦しかったのでは。

「憂うつ症、生活苦、気質的柔弱性、事件の衝撃、家族や友人の裏切り…われわれはよくこういうものに自殺の原因を探す。 いわゆる専門家と呼ばれる人たちがそう話している。 しかし問題はあれこれという原因にあるのではない。 小さな病理で自殺の原因を判断すること自体が、また別の自殺をそそのかす。 いかなる理由であっても許される自殺はない」

－－自殺死亡率が経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）国家で最も高い。 芸能人の相次ぐ自殺で模倣が懸念されている。

「あらゆる形態の自殺は動機が何であれ、自殺する前からすでに自分を殺した状態だ。 そこに名分や理由を一つでも付けてやると、そのまま死に向かう。 社会が‘君の死は理解する’というメッセージを与えてはならない。 断固たる対応をとらなければならない。 一年間に何人が自殺したと発表するのもいけない。 自身の自殺を普遍的な現象と感じるようになる。 私が死んだからといって世の中が変わることはない考え…絶望のエコーとなる」

金芝河さんが自らの自殺未遂を口にしたのはその時だった。

「２１－２２歳で大学に通う頃だった。 生きるのが苦しく、世界について正確に理解できず、その世界での自分の場所が正確でなかった. 初恋もすぐに失敗に終わった。 自分自身を認める根拠がなかった。 生きていかなければならない理由を見つけることができなかった。 不眠の夜が続き、自殺の衝動が次第に激しくなった。 結局、３度も自殺を図った。 死の直前まで行った」

金芝河さんはどうやって死の陰から抜け出すことができたのだろうか。