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麻生太郎首相が日本による侵略戦争の第2次世界大戦を「大東亜戦争」と表現し、議論が広がっていると朝日新聞が1日、報じた。
麻生首相は先月30日午後、首相官邸で記者団から日本の過去の戦争観を問われた。麻生首相が先月29日の国会演説で「私の前に58人(の首相)がいた」と述べたことをめぐり、ある記者が「58人の元首相の中には日清、日露戦争をした首相や(太平洋戦争A級戦犯の)東条英機も含まれるのか」と尋ねた。
すると麻生首相は「日清、日露戦争と、いわゆる大東亜戦争、つまり第2次世界大戦とは少し種類が違うと思っている」と答えた。続いて「明治憲法以来約120年、日本の歴史として誇れる歴史もあれば、誇れない歴史もある」と語った。
「大東亜戦争」は日本の帝国主義による侵略戦争の当時、日本政府が使っていた用語だ。第2次世界大戦が終わった後、日本を占領した連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)は公文書で同表現の使用を禁止し、現在も日本の侵略戦争を正当化、美化する用語と認識されている。日本の右翼団体や関連人物らは依然として太平洋戦争を大東亜戦争と表現し、日本による侵略戦争の正当性を主張する。
麻生氏の発言で議論が広がると、河村建夫官房長官は「首相は子どものころから外祖父の吉田茂元首相の薫陶を受けている。当時の大人たちが第2次世界大戦を大東亜戦争と表現していたために、影響を受けているのだと思う」と語り、収拾に出た。
しかし意識的でも無意識的でも、首相がかつての侵略を美化する用語を公式の席上で使ったのは非常に不適切なもので歴史観が問われる、という声があがっている。実際、麻生首相は以前にも「創氏改名は朝鮮人が望んで行われたもの」などといった妄言で波紋を広げたことがあり、自民党総裁選の真っ最中だった先月には「天皇も(日本帝国主義の侵略を美化する宗教機関である)靖国神社を参拝できるようにすべきだ」と述べ、議論を呼んだこともある。
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