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03年、現代(ヒョンデ)自動車の労使は団体交渉を締結し、新車種の開発、事業の拡張、工場の移転など経営に関する懸案について労組の同意を受けることにした。 全国経済人連合会(全経連)と韓国経営者総協会は「経営権の本質を侵害する行為」とし、現代車労使を批判した。 大韓商工会議所(商議)は全国226の企業を対象に緊急調査を行い、「86.1%が‘現代車の団体交渉は間違っている’と回答した」と発表した。
労組はこの条項を貫徹するため6月20日から25日間、ストライキを行った。 使用側は87年の労組設立以来、最大規模の1兆3106億ウォンの被害を受けたが、すぐには退かなかった。 政府も緊急調整権の発動を検討し、労組に圧力を加えた。
その現代車が8月6日、労組の要求を受け入れ、団体交渉を締結した。 鄭夢九(チョン・モング)会長と経営権をめぐって対立してきた鄭夢憲(チョン・モンホン)現代グループ会長が自殺(8月4日)した2日後だった。
ソウル大の李哲洙(イ・チョルス)教授は「当時、世論はもちろん、政府までも現代車労組に背を向ける状況だったが、原則を固守してきた使用側が突然労組の要求を受け入れたので驚いた」と振り返った。
李教授は「状況がどうであれ、経営権を労組に譲歩した時から現代車は労組に振り回されるようになった」とし「弥縫策よりも原則を守る労務管理が必要だ」と述べた。 韓国企業の団体協約を分析した結果、相当数の労組が人事と経営に深く介入していることが明らかになった。
◆徹底した雇用保障で懲戒も難しく=起亜(キア)自動車は団体交渉に「国内外の景気変動による販売不振および海外工場の建設と運営を理由に、労使の意見一致なく整理解雇・希望退職を実施しない」(第57条)という条項を設けている。 事実上、現在働いている職員は会社の経営状態と関係なく、辞職しない限り職場を失う心配はない。
第44条は「販売不振を理由に別途の懲戒および転任措置を実施しない」となっている。 使用側が業務の成果が良くない職員を懲戒したり、能力に合った配置替えができないようになっているのだ。
西江(ソガン)大の南盛日(ナム・ソンイル)経済大学院長は「労組によって会社の固有権限である経営と人事権が侵害されれば、会社の変化適応力が落ちることになる」とし「短期的には会社が労組をなだめることで実績の向上につながるかもしれないが、長期的には経営の足かせとなる」と話した。
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