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北京オリンピック(五輪)を終えて日本に戻り、いつの間にか数週間が経った。 まずはオリンピック期間に声援を送ってくれたファンに感謝したい。
韓国からは最近、いいニュースが入ってきている。 野球の先輩・後輩が力を合わせて五輪金メダルを獲得すると、ファンは13年ぶりの観客数500万人でこたえてくれた。 有難くうれしいことだが、一方で心配も出てくる。
私が現役だった90年代半ば、プロ野球は好況を迎えていたが、通貨危機を受けて人気が急降下した記憶があるからだ。 最近は国内外の経済も厳しい。 準備もなくまた同じことが繰り返されないか心配だ。
最も懸念されるのは選手の流出だ。 日本は五輪をきっかけに韓国野球を再評価している。 優秀な選手がいつFA(フリーエージェント)になるのか、成績はもちろん品性までもかなり詳しく把握している。
日本のスカウトは私に対し、「50余りの高校野球チームがプロチーム8球団を支えるのは大したものだ。 韓国はそれだけ資源がいい。 韓国には低い年俸でも実力のある選手が多い」と話したりもする。
プロは富と名誉を望む。 日本から好条件が提示されれば選手は動くしかない。 待遇が悪くない日本の選手でも数年前から大リーグ進出ラッシュが続いている。
韓国と異なる点は、日本は危機を克服するために有望株を発掘し投資することを怠らない。 看板選手の空白を埋めるために従来の選手に対して十分な待遇をし、海外有望株に関心を向ける。 読売は即戦力となる外国人選手のほかにも、台湾やドミニカなど海外の20代選手3人を育てている。
韓国では、シーズン終了後にプロ野球団のバブルを取り除くという話が出ている。 何がどれほどのバブルなのか、またどういう目的なのか、私にはよく分からない。 プロをプロらしく扱うことができなければ、今の野球人気も維持できないのではと心配になる。
最近、野球関係者の中には自分の子どもに野球をさせる人が少ない。 韓国野球の現実を誰よりもよく知っているからだ。 こういう環境で、大勢の客がずっと野球場を訪れ、選手が発展していくことを期待するのは矛盾している。
われわれが経験したように、一度落ちた人気を取り戻すのには10年以上かかる。 野球界にいる人は今、喜んでいる場合ではなく、頭を悩ませなければならない時期だ。
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