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【社説】「脱北難民」総体的対策講じるべき時だ

政府が、李明博(イ・ミョンバク)大統領の指示で、モンゴルやタイなど第三国に脱北者を収容する施設を建設するために、該当国家と協議を行ってきたことが分かった。脱北者が中国などで受けているあらゆる人権蹂躙(じゅうりん)行為をこれ以上放置できないという判断によるものだ。

中国など第三国に滞在中の難民は約3万人に推定されている。昨年、強制的に送還された脱北者はおよそ1800人だ。脱北者が体験している苦痛はすでによく知られている。しかし解決の見込みは薄い。解決のカギを握っている中国政府が脱北者を「難民」に認めず「経済的理由による違法な越境者」と見なしているからだ。特に北朝鮮とは「逮捕した脱北者を北朝鮮に引き渡す」という内容の合意書まで締結した。

より大きな問題はこうした中国の方針が変わる可能性がほとんどないという点だ。北朝鮮人権法を制定したブッシュ米政権が圧力を加えても微動だにしなかった。中国としても脱北者を難民に認めれば大規模な脱北事態が起きるのを懸念せざるを得ないだろう。だからと言って脱北者の苦痛をのんびりと見守っているわけにもいかない。そろそろ中国の善処だけを期待せず、政府が取れるあらゆる措置を検討しなければならない。


こうした点から第三国に脱北者の収容施設を建設するのもひとつの案になり得る。関係諸国は難色を示す可能性が高い。脱北者の殺到そのものが困惑することであり、北朝鮮の反発を意識するほかないからだ。しかし政府の取り組み方次第では不可能なばかりではない。モンゴル政府が国連の難民の地位に関する条約に加入する方針を決めるなど、該当国家の立場も脱北者にとって友好的なものに変わりつつあるのも望ましい。

北朝鮮の「急変事態」の中で最も可能性が高いのは大規模な脱北事態だ。手放している状況でこうした事態が起これば、混乱を極めることになるだろう。これを防ぐためには今から用意周到に対処しなければならない。何よりも中国政府を説得できる外交力を、いかにして確保するかに総力を挙げねばならない。第三国だけでなく韓国領土にもより多くの脱北者収容施設を準備すべきだ。現在、飽和状態にあるハナ院(脱北者の定着支援施設)を拡充する問題も再検討しなければならない。



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