「政府と与党の名誉をかけて対策づくりに努めている」－－。

与党ハンナラ党の安鴻俊（アン・ホンジュン）第５政策調整委員長が２８日このように述べた。

中国製乳製品に化学物質メラミンが混入していた問題を受けて、「食品安全＋７」対策を発表した際のコメントだ。ハンナラ党と政府はこれに先立ち、週末の２７日、対策づくりに向けた党政協議を行った。食品医薬品安全庁（食薬庁）がメラミン混入の菓子類を回収してから３日後だ。


「メラミン恐怖」が食品全体に広がっているのを受け、党政がこれまでにない異例の速さで対策づくりに乗り出したのだ。

政府が同問題をどれだけ敏感に受けとめているかは、２６日、李明博（イ・ミョンバク）大統領の取り組みからも分かった。李大統領はこの日、ソウル恩平区碌磻洞（ウンピョング・ノクポンドン）の食薬庁を突然訪問した。予定になかった日程だった。

李大統領は同庁で、最近のメラミン事態の報告を受けた後「韓国は食品や麻薬に対する処罰が他国に比べて弱い」とし「有害物質などが検出された食品や麻薬に対し、厳しく処罰するよう規定を強化しなければならない」と強調した。

政府と党がこのように迅速に取り組んでいることに関し、与党では「米国産牛肉輸入再開問題を通じた学習効果だ」という見方が出ている。今年初め米国産牛肉問題をめぐる世論の動きをきちんと把握できず、大規模な「ろうそくデモ」につながったときの二の舞を演じたくない、という意志が盛り込まれているということだ。

保健福祉家族委員会に所属する孫淑美（ソン・スクミ）議員は「牛肉問題の場合、国民健康に直結するにもかかわらず、当時通常的な側面からのみ接近し、きちんとした対策を講じることができなかった」とし「党政間にそうしたことを繰り返してはならないという共感が形成されている」と述べた。

ハンナラ党は、メラミンが検出された菓子類を輸入したヘテ製菓など３社の社長を、今回の国政監査の証人に採択して再発防止策を追及するなど、国政監査でも同問題を徹底的に問い詰める方針だ。