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【噴水台】メラミン



全世界を驚愕させた‘中国産粉ミルクスキャンダル’の原因物質メラミン(melamine)は実際、それほど毒性の強いものではない。 学者らは猛毒性でも高毒性でもなく、弱毒性物質に分類している。 ‘発がん物質’という報道もあるが、発がん性物質の等級をつける国際がん研究所(IARC)の評価は‘3級’だ。 人にがんを発生させるといういかなる証拠もない、という意味だ。 コーヒーのカフェイン、電磁波、酒の主原料のエチレンなどと同じ等級になる。体内に長く残ることもなく、ほとんどが尿を通じて抜ける。 中国産メラミン汚染飼料を与えた国内養魚場の魚からメラミンが検出されなかったのはこのためだ。 米食品医薬品局(FDA)と農務省は昨年5月、豚6000頭と鶏1000万羽がメラミン汚染飼料を食べたという事件が発生すると、「消費者がこの肉を食べても健康上の被害を受ける危険性は極めて低い(very low)」と公式発表した。 該当製品のリコール措置もなかった。

問題はメラミン汚染食品や飼料を直接摂取することだ。 たんぱく質処理臓器の腎臓がやられる。 腎臓結石が発生し、腎不全で死亡することもある。


メラミンは1834年に初めて合成されて以来、人類にかなり寄与してきた。 窒素が豊富で、肥料の原料として、陶磁器のコーティング材として、粘々した特性のため接着剤として、メラミン食器などプラスチックの原料として使われた。 メラミンは窒素含有量が67%にのぼる。 1958年には牛の非たんぱく質性窒素供給源として特許を受けたりもした。 しかし競争製品の綿の種・尿素に比べて効率が落ちるため、牛にメラミンを与えることは長く続かなかった。

しかし中国の悪徳業者がこれを悪用した。 ‘窒素の塊り’であるたんぱく質の代わりにメラミンを入れれば、それなりに飼料や粉ミルクのたんぱく質含有量を合わせることができたからだ。 このため動物用飼料に高価な小麦グルテン(たんぱく質)ではなくメラミンを入れ、牛乳に水を加えた事実を隠すために粉ミルクにメラミンを添加した。費用が高く操作もできない「たんぱく質含有量直接測定法」の代わりに、窒素含有量だけを計って6.25を掛ける簡易検査法を採択したのも問題だった。

今回の中国発食品安全事故は類例のない猟奇の極致だ。 わずか1年前、米国でメラミン飼料を食べたペットが大量に死んだ事件を目にしながらも、こういうことを犯した彼らのやり方に胸がふさがる。



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