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「本物の金正日(キム・ジョンイル)は5年前に死亡し、今の金正日は影武者だ」。
北朝鮮専門家、重村智計教授(早稲田大学)の主張はどれほど信憑性があるのか。
最近、海外メディアが「北朝鮮の金正日国防委員長が5年前の03年に死亡し、いま‘重病説’が出ている金正日は影武者だ」と報道し、注目を集めている。
金委員長の死亡説と影武者説を主張しているのは、日本を代表する北朝鮮専門家、重村智計・早稲田大学教授(63)だ。 重村教授は著書「金正日の正体」を出し、金委員長の死亡・影武者説はさらに関心を集めた。
金国防委員長の健康異常説はこれまでも何度か浮上した。 しかし閉鎖的な体制のため、いまだに真否は確認されていない。 こうした中で重村教授が主張した金正日の「死亡説」と「影武者説」はメガトン級だった。 日刊スポーツ(IS)が19日、早稲田大学研究室で重村教授に単独インタビューをした。
重村教授は金委員長の死亡・影武者説の根拠に▽2004年1月から3カ月間、金正日の近況について不明瞭な報道が続いた▽死亡前の00年の南北首脳会談、03年の6カ国協議などで大きな外交的決断を下した▽日本の放送が4年前の金委員長の声と現在の声を分析した結果、別人だという結果が出た--などの点を提示した。 重村教授にもう少し具体的な質問を投じた。
--金委員長の影武者説・死亡説を追跡し始めたのはいつか。
「04年5月に小泉純一郎首相の2度目の訪朝があった。 当時、テレビ朝日の番組‘スーパーモーニング’が韓国研究所に依頼し、金委員長の声紋を分析した。 02年の朝日首脳会談の肉声と83年のシン・サンオク-チェ・ウネ夫婦の録音が資料となった。 ‘全く違う’という分析結果が出た。 担当プロデューサーがこの結果を相談しに来た。 その時から死亡説、影武者説が出てきた」
--金委員長の影武者がいるとする根拠をもう少し具体的に説明してほしい。
「テレビ朝日が昨年末、日本音響研究所に同じ依頼をした。 音声が違うという研究結果が出た。 北朝鮮-日本の貿易に従事している知人がいるが、 この人が95年11月に平壌(ピョンヤン)を訪問した際、高麗ホテルで金委員長の影武者だと主張する人物に会った。 ‘影武者・金正日’は『暗殺の恐れがあるので私が代役をしている』と話した。 北朝鮮専門家の間では、金正日の影武者の存在は1990年代半ばから把握され始めた」
--影武者の存在だけで死亡説を主張するのには無理がありそうだが。
「金委員長は82年5月から89年まで毎年、日本を秘密裏に訪問した。 訪問する度にAという人物に会った。 Aも北朝鮮を何度も訪問している。 00年初めにAが北朝鮮を訪問した際、金委員長に会った。 この時、金委員長は車椅子に乗っていたという。 Aの家には金委員長と撮った写真が数枚ある。 00年の写真の金委員長は病弱な姿だった。 Aは金委員長の子どもとも親しい。 Aはある子どもに『(金委員長が)亡くなれば知らせてほしい』と頼んだ。 Aは03年初め、平壌から届いた花束を受けた。 花束はあらかじめ決めていた'金委員長死亡’という暗号だった」
(重村教授の著書には金委員長が03年9月に死亡したと書かれている。 しかしAが‘金委員長死亡’という暗号の花束を受けた時期とは6カ月以上の差がある)
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