19日、板門店で開かれた南北(韓国・北朝鮮)経済・エネルギー実務協議に先立ち、外交通商部の黄浚局北核企画団長(ファン・ジュングク、左)と北朝鮮の玄鶴峰(ヒョン・ハクボン)外務省米州局副局長が握手している。 |
19日、北朝鮮が寧辺(ニョンビョン)の核施設の無能力化中断措置を宣言して以来、初めて6カ国協議の南北(韓国・北朝鮮)当局者が協議のテーブルについたが、議論は平行線をたどった。
この日、非武装地帯(DMZ)の板門店(パンムンジョム)で開かれた核無能力化に対する見返り支援を話し合うための南北実務協議で、北朝鮮の玄鶴峰(ヒョン・ハクボン)外務省米州局副局長は「米国が北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除の約束を履行しなかったため、我々もやむを得ず核無能力化措置を中断した」とし、責任を米国に転嫁した。同副局長はまた、米国が求めている検証計画書の作成について「検証問題は、朝米間の非公開了解覚書きにもなく、6カ国協議の合意書にもない」と反発した。
これに対して韓国代表の黄団長は「6カ国協議が逆戻りしてはならない」とし、核無能力化作業の再開を求める一方、無能力化とエネルギーの支援が6カ国協議の合意に連動する懸案であることを強調した。
これは、核無能力化中断が長引き、北朝鮮が本格的な原状復旧作業に着手する場合には、エネルギー支援を中断できる点を示唆したものとみられる。これに関し、政府当局者は「核無能力化中断措置以降もエネルギー支援を続けてきたが、まだ残っている物量(重油50万トンに相当)は状況次第で変わり得る」と話している。
玄副局長はこの日、およそ10分間行った冒頭の演説で「北朝鮮は昨年10月3日の6カ国協議の合意に基づく義務事項である核申告書の提出と無能力化を忠実に履行したが、米国が約束を破った」とし「無能力化作業のために取り外した設備をそのまま放っておけば錆びることになり、我々が損をする」と話した。
北朝鮮外務省のスポークスマンはこの日「最近、寧辺核施設の原状復旧作業をしている」と明らかにした。6カ国協議で韓国首席代表を務める金塾(キム・スク)韓半島平和交渉本部長は21日、米ワシントンで、米首席代表のヒル国務次官補(東アジア・太平洋担当)と会い、南北協議の結果を説明し、対策について話し合う計画だ。
◇金総書記の重病説に敏感な反応=北朝鮮側の玄副局長は会議が始まる前に金正日(キム・ジョンイル)国防委員長の健康状態を尋ねる記者団に対して「(金委員長の重病説は)北朝鮮がうまく行かないことを望む悪い人々の奇弁だ」とし「いくらそんなことを言われても驚かないし、団結力は壊れない」と一蹴した。北朝鮮外務省で国連と米国関連の業務を主に担当し、判断力に優れていると評価されてきた外交官の玄副局長が、金委員長関連の発言では激しい反応を見せた。
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