|
「周囲から“予算ばら撒き政策の主導者”“失言癖がひどい”“韓国と中国を敵にするだろう”という3点を懸念されているのを知っている」--。
日本の次期首相に有力視される自民党の麻生太郎幹事長が「私の発言を心配しているのを知っている」とし、こうした「自身の3つの問題点」を公の席で自ら明らかにした。22日の自民党総裁選を控えて、12日、都内の日本プレスセンターで開催された公開討論会(日本記者クラブ主催)で行った演説でコメントしたものだ。同氏の相次いだ失言で波紋が広がると、自身の問題点を打ち明けて了解を求めようという意図に受けとめられた。
麻生氏のこうした発言は、14日、名古屋市内で行った街頭演説での「豪雨発言」がもとで、さらに視線を集めている。同氏はこの街頭演説で「豪雨は安城や岡崎だったらいいが、名古屋で起きていたら、この辺全部、洪水よ」と発言している。岡崎市は先月末、大雨に見舞われ、2人が死亡するなど莫大な被害を受けた。名古屋と周辺都市の住民は麻生氏の発言に接した後、即刻激しく反発し「不適切な発言について謝罪せよ」という抗議文を送った。麻生氏は「不用意な発言で不愉快な思いを抱かせたことをお詫びする。復旧について、できるだけのことをお誓いする」という謝罪文を送ることになった。これを受けて日本では麻生氏が失言を意図的に愛用している、との見方が出ている。
民放TBS系列のニュース番組は16日「同氏の失言は単なるミスではなく、相手の心に傷を残すことが問題だ」と指摘した。相手を傷つけるため、意図的に暴言を吐いているということだ。
麻生氏の「失言に見せかけた本音」は過去の歴史問題と優越主義の認識でも頻繁に表れている。03年、当時の小泉純一郎首相が靖国神社を参拝した問題で、韓国、中国が反発すると「靖国参拝を問題視する国は地球上に韓国と中国だけだ」とし、歪曲(わいきょく)された歴史観を表した。続いて「創氏改名は朝鮮人が自ら望んで行われたものだ」という妄言をした。
先月、自民党幹事長になった直後には、政権交代のために衆院解散と総選挙の早期実施を主張する民主党に対し「ナチスに、一度やらせてみよう、ということで政権を与えてしまい、ドイツがあのようになった。民主党に政権を渡すのはナチスに機会を与えるのも同然だ」という毒舌を浴びせた。
しかし日本社会の保守化傾向により、こうした発言がむしろ反響を呼び、同氏の人気はより一層高まっている。5人の候補が自民党総裁をめぐり遊説を繰り広げているが、麻生氏は圧倒的な支持を受けている。
この記事を読んで…