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米国の金融危機が深刻な局面に陥りつつある。
資産総額で米第4位の証券会社リーマン・ブラザーズが15日、破産法の適用を申請した。
世界第1位、創立94年の証券会社メリルリンチも売却された。米ブルームバーグ通信は「リーマン・ブラザーズが15日未明(現地時間)、ニューヨークの裁判所に破産法の適用を申請した」と報じた。
リーマン・ブラザーズの負債は総額6130億ドル(約68兆円)で、01年のワールドコムの破産規模を上回る。リーマンの株式と債券に投資した投資家も被害を避けられなくなった。
リーマンは買収候補だった英銀大手バークレイズと米大手銀バンク・オブ・アメリカ(BOA)が14日午後、次々と交渉の決裂を発表したのを受け、破産申請を発表した。メリルリンチはBOAが買収することで合意した。金融市場の混乱を防ぐための緊急救済に向けた合弁だ。
メリルリンチは財務状態が不安で「第2のリーマン」に挙がっていた。買収価格は500億ドル(1株29ドル)とされる。メリル株は前週末の終値(17.05ドル)より70%も上昇したが、前年の最高値に比べると半分のレベルだ。
米金融市場の減速の懸念を受けて、15日、アジアと欧州の株式市場も大きく値を下げる展開となった。この日、インドSENSEX指数が3.3%安、台湾の加権指数は4.1%下落し、2年10カ月ぶりの最安値となった。特に金融株の下げ幅が目立った。
台湾系金融グループのキャセイ・フィナンシャル・ホールディングスの株価は6.9%落ち込んだ。英100種総合株価指数(FTSE)と独株式主要30銘柄指数(DAX)も2~3%安で終了した。
この日、米ニューヨーク証券市場のダウ平均株価は開場後、2%ほど値を下げる展開となった。ブッシュ米大統領は同午前記者会見し「世界的な金融市場の混乱を軽減し、経済全般への影響を最小限に抑えるよう取り組んでいく」とし「米経済は長期的にこうした危機を克服できるだろう」と述べた。
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