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経済難ストレス…真夏に倒れた父と息子(1)

「金日成(キム・イルソン)主席は妙香山(ミョヒャンサン)で南北(韓国・北朝鮮)首脳会談を準備する途中で死を迎え、金正日(キム・ジョンイル)国防委員長は無理に咸境道への現地視察に訪れた後で倒れた」--。

北朝鮮内部の動向を追跡している情報関係者は11日、2人とも夏季、過大な統治活動を展開中に健康に異常をきたした、という見方を示した。北朝鮮体制の特性上、最高権力者ひとりがすべてのものを決めなければならない負担に加え、猛暑まで重なって倒れたということだ。

金正日委員長は今年7~8月、江原道(カンウォンド)と咸境南道の軍部隊と山林経営所など経済施設を相次いで視察した。軍部を励まし、経済難の克服を督励するために最高指導者が直接現場を訪ねる、いわゆる「現地指導」だった。


当時は北朝鮮の核問題が再び膠着(こうちゃく)状態に陥り、朝米関係の改善を期待しにくくなる状況だった。南北問題も最悪の状態へ進み、食糧の調達も厳しくなっていた。北朝鮮南東部の観光地、金剛山(クムガンサン)で発生した韓国人女性観光客射殺事件を受け、観光事業が中断されることにより、米ドルも北朝鮮に入らなくなるなど金委員長が極度のストレスを受けていたという観測が可能だ。

故金日成主席は死去の直前にさらに極限の状況にあった。94年6月、米国が北朝鮮の核施設への爆撃を検討するという状況まで招いた危機は、同月17日カーター元米大統領の訪朝でようやく鎮静できた。

当時の金泳三(キム・ヨンサム)大統領との史上初めての南北首脳会談に合意した状況で、準備も急がれていた。ここに疲弊した経済が厄介な問題となっていた。死去から数日前の経済関連責任者会議で金主席は極度に興奮したという。船舶工業部長(閣僚級)を起立させたまま「数年前に大型タンカー(貨物船)100隻を作るとしておいて、今どうして何もないのか」と責めたこともある。



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