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米財務省は通貨危機に陥った外国に対しては露骨に押さえつける。 そうでありながらも自国の金融危機は手を出さないのが常だ。道徳的弛緩を問う米議会の鋭い追及を恐れているからだ。 それでついた別名が「ヤヌス」。 その米財務省が一昨日、ファニーメイとフレディマックに2000億ドルの公的資金を注ぎ込むことにした。 国有化の措置が始まったのだ。 「非常に規模が大きく、このまま破産すれば金融システムの崩壊を引き起こす恐れがある」。ポールソン財務長官は世界金融市場の混乱を意識した不可避な選択として説明した。
しかし事実は違う。 もともと米財務省がこだわった戦略は現状維持だった。 こっそりと非常金を充てながら両社の正常化を待った。 こうした努力に中国が決定打を飛ばした。 中国銀行が両社の債券を売却し、手を引き始めたのだ。 8月に中国銀行が売却した債券だけでも4兆ウォンを超える。 このニュースが伝えられると、バフェットは「ゲームは終わった」と語った。 米財務省も海外資金の脱出を防ぐには他に方法がなかった。
天国と地獄が入れ替わるのにかかった時間はわずか5年。 2003年、中国では新型肺炎SARSが広がり、海外金脈が枯渇した。 慌てた中国共産党は米財務省の顔色をうかがった末、改革カードを取り出した。憲法を改めて私有財産を保障した。 国有資産を売却し、勇敢に金融市場も開放した。 今は逆だ。 一人で世界金融を料理していた米国があわれな身分だ。 中国の恐るべき威力の前に周囲の視線をうかがっているところだ。 「今では派生金融商品こそが大量破壊兵器」というバフェットの言葉を実感する。 世界金融は断崖上の戦地と変わらない。
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