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保健福祉家族部が最近、発表したところによると、06年、韓国で自殺による死亡率は人口10万人当たり21.5人(男性32人、女性13.2人)と、経済協力開発機構(OECD)の平均(11.2人)の約2倍にのぼった。同期間にOECD加盟諸国の平均自殺率は11.9人から11.2人に減った。
10日は「世界自殺予防デー」。「自殺の王国」という汚名をすすぐために、個人と社会がどんな努力を傾けるべきかについて考えてみた。
◇増える自殺危険要因=最近、ソウル市広域精神保健センターが調べた自殺の原因のうち、トップは経済的困難(48.2%)だ。もちろん家庭不和(15.4%)、孤独感(12%)、疾病や障害(8.2%)、職場問題(6%)、成績や進学(5%)、異性問題(2.7%)――など親密な人間関係の問題が原因の場合も少なくない。
問題は▽格差問題による貧困層の増加▽人口の高齢化と一人世帯の増加--などといった自殺危険の要因が日増しに増えているという点だ。
◇自殺は憤怒が自身に向けられたもの=相対的な剥奪感が高まり「厳しい状況から抜け出せず、生きるのが苦しい」と感じるとき、挫折感、憂うつな気分が続く。この状況では周辺の環境はもちろん家族、知人、近所の人など周辺の人々への憤怒が伴われる。
自殺はこの憤怒が自身の中で爆発した場合だ。こうした気質を持つ人は難関に逢着するとパニック状態に陥り、自殺という極端な行為を試みやすい。ちなみに、憤怒が外部に向けられ爆発する場合は、他人を攻撃する犯罪行為を起こすこともある。
◇体系的な管理で自殺予防が可能=それなら自殺は予防が可能だろうか。専門家らは「可能だ」という意見に同意する。自殺は人間の生存本能に反する最後の選択であることから、自殺を試みる前に無意識的に「警告の信号」を送る場合が多いということだ。自殺を考えている人に周辺の人が「手を差しのべる」だけでも最悪の選択を防ぐことができる。
ソウル市広域精神保健センターのイ・ミョンスセンター長(40、精神科専門医)は「韓国の自殺者には、家族とのトラブルという共通的な要因が存在する」とし「家族機能の回復と周辺人物の関心と支援が、自殺問題に効果的な代案になり得る」と指摘した。自殺の3分の1は衝動的に、3分の2は憂うつな状態で起きることから、自殺の兆しがある場合はすぐに専門家と相談したり、うつ病の治療を受ければ自殺につながるのを防ぐことができるということだ。
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