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民間人たちで構成された朝鮮王室儀軌還収委は4~6日、日本の東京にある首相官邸と皇居を訪問し、儀軌返還を公式要請した。
朝鮮王室儀軌は結婚・宴・葬礼のときに着る王の服と行列の配置を絵で詳細に記録した文書だ。
日本の宮内庁が所蔵している儀軌の中には、遺体が見つからず、2年間続いた明成(ミョンソン)皇后の国葬の手続きを詳しく載せたものもある。
還収委幹事の曹渓宗奉先寺のヘムン僧侶に会ってこれまでの活動内容と展望を聞いた。
--朝鮮王室儀軌還収にはどんな意味があるのか。
「今回の還収を推進しているのは一般人には聞きなれない朝鮮王室儀軌五台山(オデサン)史庫本だ。朝鮮王室儀軌は朝鮮王室の儀礼手続きを文と絵で整理した文書で、世界的にも貴重な資料だ。歴代王のすべての記録が書かれている。ユネスコが世界文化遺産に指定したものだ」
--どうして今になって還収を推進しているのか。
「朝鮮王室儀軌は1922年、朝鮮総督府が日本王宮の行政を担当する宮内庁に搬出した。現在、宮内庁皇室図書館に『明成皇后国葬図鑑儀軌』など72の儀軌がある。ところが国内ではこの事実を2001年に初めて知った。韓日国交正常化時、文化財返還が行われたが、儀軌に対しては韓国側が存在事実を知らなかったので、要請しなかった」
--日本の言い分はどうか。
「日本は当時、朝鮮を合法的に合併したので総督府が宮内庁に寄贈したことは合法的だと主張している。日本側も話にならない話だということをよく分かっているだろう。しかし以前には韓国側が、政府をはじめ民間でも返還を要求しなかったから自発的に返す必要性を感じることができなかったはずだ。いまは、日本側は我々の主張に耳を傾けている。ユネスコも略奪文化財に対しては積極的に返還を支持している」
--政府がもっと積極的にならなければならないのではないか。
「政府が日帝の略奪文化財に大きな関心を持たなかったことは事実だ。そのため一部の民間団体と宗教団体が先頭に立って略奪文化財を取り戻そうとしている。2006年、朝鮮王朝実録五台山史庫本を東京大学から返してもらうことができたのも、民間主導の『朝鮮王朝実録還収委』の努力のおかげだった。これにより朝鮮王朝実録還収委が2006年『朝鮮王室儀軌還収委』に変えて、宮内庁を相手に還収運動を行っている。政府関係者たちは、初めは東京大学や日本の皇室に相対するのが難しいとしていた。しかし我々が論理的に略奪文化財の返還の必要性を説明すると日本側も肯定している」
--今回はどのような活動をしたのか。
「4日、首相官邸を訪問し、官房長官室に儀軌返還要請書を提出した。日本の市民団体である日朝協会が積極的に支援してくれた。官房長官室関係者たちは関連機関である首相官邸、文部科学省、宮内庁などに文書を伝えると明らかにした。また宮内庁を訪問して儀軌を見た。特別管理対象だから保管状態は良かった。日本も貴重な文書だと思っていることを知った。儀軌を見れば朝鮮はとても文明が発達していたのに、国が傾くと民族の婚姻に関する文化財まで奪われて、やや心苦しい感じがした」
--日本の自民党はこの事態をどう見ているか。
「麻生太郎幹事長も外相時代『韓日国交正常化時、文化財還収はすべて処理されたが、朝鮮王室儀軌は別途事案で処理しなければならない』と原則的に返還の必要性に同意した。ただ日本では宮内庁所有文化財は皇室と係わっていて敏感に考えているようだ。しかし我が民族のアイデンティティと係わる問題なので必ず返してもらわなければならない。すぐにも還収してもらえるよう、努力していく」
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