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【噴水台】ダマスカス剣

 映画「神機箭」がまもなく公開されるという。 世宗(セジョン)時代に作った世界初の多連発ロケット武器だ。 この秘密兵器で朝鮮は強国になった。 歴史上の最も神秘な武器ではダマスカス剣が欠かせない。 インド産の鉄鋼を輸入してシリア地域で作った最強の剣だ。 ローマ軍はササン朝ペルシアを攻撃しようと考えなかった。 ヨーロッパ十字軍もサラディンのイスラム軍に退けられた。 粗くて重いヨーロッパの剣は、軽くて鋭いダマスカス剣の相手にならなかった。相手の剣を真っ二つに折り、鎧を突き破ったという記録が随所に残っている。

表面に‘ムハンマドの梯子’模様が彫られたこの剣は美しい。 しかし製造方法は残酷だ。 神殿に記録された年代記には「王の服と同じ朱紅色になるまで鉄を熱した後、丈夫な奴隷の筋肉に刺して冷やす」と書かれている。 そうしてこそ「奴隷の力と霊魂が乗り移り、丈夫な剣ができる」という。 もちろん伝説にすぎず、事実ではない。 インド鉄鋼が枯渇し、この剣はいまや跡形を探すのも難しい宝物だ。 1750年ごろ手作業で伝えられた製造秘法も突然途切れ、疑問と神秘を増幅させている。

現代金属学界はこの剣を極少量のバナジウムとモリブデンが含まれた鉄鋼合金に分類している。 この不純物が炭素と結合して強度を大きく高めたということだ。 表面の美しい模様もここから生まれた。 しかし2年前、「ネイチャー」誌は世界を驚かせた。 ドイツ・ドレスデン大学研究チームがこの剣からカーボンナノチューブ(CNT)を発見したのだ。 研究チームは「焼結と鍛造の過程で不純物が触媒として作用し、炭素がナノチューブ形態に変わった」と紹介した。 最先端新素材が謎の剣にも隠れているということだ。


CNTは1991年に日本NECの飯島博士が発見した。 鉄より100倍も強く、伝導率や水素貯蔵能力も卓越した夢の素材だ。「次世代半導体や水素燃料車はCNTなしには不可能だ」。高麗(コリョ)大工大の李鉄真(イ・チョルジン)教授の話だ。 しかし現実は違う。 国内で最も先を行くCNT企業も寂しい雰囲気だ。 床のあちこちには黄色いテープが貼られている。 今後導入されるべき核心装備が置かれる場所だ。 会社側は「長い視点で国家的な関心が少ないのが残念だ」と話した。 コスダック(店頭株市場)ではお粗末なCNTテーマ株ブームが激しいが、行く道は依然として遠い。 経済危機説に押さえつけられた世界…。 そうであるほど神機箭・ダマスカス剣のような夢と希望が切実に感じる。



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