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ゾルゲの発言とは違い、情報戦の世界にも女性の名前がかなり登場する。 最も有名な人物は、第一次世界大戦中にドイツ軍の情報部隊の諜報員として活躍したオランダ女性マタ・ハリだろう。 パリでダンサー生活をしていた彼女は複数の連合軍高位将校と関係を持った。 ゾルゲがそうであったようにマタ・ハリが入手した情報が果たして価値のあるものだったかどうかは明らかでないが、情報ソースへの接近に関しては抜群だった。
東洋のマタ・ハリと呼ばれた女性は川島芳子だった。 清の王女として生まれた川島は幼いころ日本人の養女となり、日本の教育を受け、日本の傀儡国家である満州国の樹立に水面下で活躍した。 男装をしていてが、あちこちで艶聞が広まったのはマタ・ハリと似ている。
金寿任(キム・スイム)は韓国版マタ・ハリと呼ばれた。 英会話が上手なインテリだった彼女は、米軍政期間中、米軍将校と同居しながら、南朝鮮労働党(南労党)の工作活動を助けるなど間諜行為をした容疑で、韓国戦争(1950-53)勃発直前、刑場の露として消えた。 金寿任の支援で北へ行った後、北朝鮮の初代外相になった李康国(イ・カングク)は彼女の初恋の人だった。
先週、脱北者を装って間諜容疑で起訴された元正花(ウォン・ジョンファ)は、複数の軍将校や情報機関員と不適切な関係を持ったという。 北朝鮮保衛部所属という話を聞いても、愛していたから申告できなかったという将校がいたというのだから、驚かされる。ただ、元正花がそれほど有能な工作員ではなかったようだという点を慰めとしなければならない。 今までの捜査結果を見ると、高位層には接近できず、北朝鮮に渡したという情報も大したものではないと考えられるからだ。 だからといって不安が消えるわけではない。 仮にゾルゲの手腕にマタ・ハリの美貌まで兼ね備えた女性工作員が入ってきて韓国軍を籠絡していたなら、どんな結果になっていたのか、想像するだけでも恐ろしい。
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