北朝鮮外務省は26日「米国が北朝鮮に対するテロ支援国家指定を解除しなかったために、北朝鮮も核施設の無能力化措置を中断した」という声明を発表し、施設の再稼働も考慮すると脅かした。
今年4月9日、ヒル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)と金桂寛(キム・ゲグァン)北朝鮮外務次官がシンガポールで会談した後▽6月27日プルトニウム申告書の提出▽6月28日冷却塔の爆破--などで改善の兆しを見せつつあった北朝鮮の核問題に「暗礁の突出」を知らせる赤信号がともったのだ。
北朝鮮が不満を表した理由は複合的だ。ブッシュ大統領とライス国務長官が「45日間にわたって申告書を検証した後、北朝鮮へのテロ支援国家指定を解除する」としたにもかかわらず、米国が解除措置を取らなかったことが最も大きな理由であろう。
しかし検証システムをめぐる意見の隔たりも大きい。7月10~12日の第5回6カ国協議首席代表会談では「6カ国協議の枠組みの中で検証システムを作ること」で合意し、これに向けた非核化作業部会が対話を始めていた。当時すでに専門家らは検証の強度に合意するのが最大の難関となると予想していた。
米国としては当然▽試料採取▽疑惑のある施設への随時訪問--などが含まれる特別査察を望んだが、北朝鮮は受け入れず、米国はこれを理由にテロ支援国家指定解除を保留しているのだ。
そのほかにも▽今年5月の韓米首脳会談で取りあげられた北朝鮮の人権問題▽米民主党の党大会--など北朝鮮が後日を約束する際、一度ブレーキをかけたくなる懸案が多かった。
現段階としては北朝鮮外務省の声明がそのまま「核対話」の破局を意味すると受けとめる必要はなさそうだ。ひとまず米国と北朝鮮が4月のシンガポールでの協議で、膠着(こうちゃく)状態を解消し「合意可能な部分についての合意」を通じて、関係改善を試みようとした政治、経済的な状況は現在も不変だ。
終わりが見えないイラク戦争、悪化の一途をたどるアフガン情勢、残り少ない任期--などでブッシュ大統領の政治力は弱まり、強硬姿勢に転じるのが容易ではない。
北朝鮮もそうだ。米国の食糧援助は食糧難の打開に緊要であり、韓国政府との対立を持続させるためにも米国との友好的な雰囲気が必要とされる。名分の問題もある。7月の6カ国協議首席代表会談で、08年10月末までに相互の義務履行を完了することで一致したのに、期限切れでもない時点に「核対話」の場を壊してしまう名分はどちら側にもない。
諸情況をまとめてみる場合、北朝鮮が望むのは破局ではなく進行中の「検証システムをめぐる交渉」で希望する結果を獲得することかもしれない。しかし中長期的な核解決の見通しは依然暗く不透明だ。
紆余曲折のすえ、検証システムが作られるとしても、核問題の解決に実際に寄与できるかも気がかりだが、本格的な核兵器の廃棄に向けた第3段階交渉が果たして開かれるだろうかというのが焦眉の問題だ。
▽現在、議題から外されているウラン濃縮計画が存在するかどうか▽北朝鮮とシリアの核協力をめぐる疑惑をどのように処理するか--というのも重要な課題だ。
北朝鮮が「最小限の核抑制力」という名分を掲げて、保有中の核兵器と核製造に向けたインフラを固守するのではないかという問題は、韓国が絶対に目を離さず注視しなければならない重大な懸案だ。
北朝鮮は今回も「韓半島とその周辺には米国の核兵器が通過してもいけない」とし、90年代初めに主張した「韓半島非核化の案」を再登場させた。北朝鮮の役人は忘れかけたころになると「米国は核を保有している北朝鮮を忘れてしまってはならない」という発言を繰り返している。
こういったものが単なる交渉のためのものなのか、核兵器の固守に向けた論理なのかはまだ明らかでない。しかし韓半島に核の暗い影を落とす言行であることには間違いない。「北朝鮮の核廃棄がすなわち韓半島の非核化」に慣れていて、これにこだわる米ワシントンの役人らが留意しなければならない部分である。
今年4月9日、ヒル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)と金桂寛(キム・ゲグァン)北朝鮮外務次官がシンガポールで会談した後▽6月27日プルトニウム申告書の提出▽6月28日冷却塔の爆破--などで改善の兆しを見せつつあった北朝鮮の核問題に「暗礁の突出」を知らせる赤信号がともったのだ。
北朝鮮が不満を表した理由は複合的だ。ブッシュ大統領とライス国務長官が「45日間にわたって申告書を検証した後、北朝鮮へのテロ支援国家指定を解除する」としたにもかかわらず、米国が解除措置を取らなかったことが最も大きな理由であろう。
しかし検証システムをめぐる意見の隔たりも大きい。7月10~12日の第5回6カ国協議首席代表会談では「6カ国協議の枠組みの中で検証システムを作ること」で合意し、これに向けた非核化作業部会が対話を始めていた。当時すでに専門家らは検証の強度に合意するのが最大の難関となると予想していた。
米国としては当然▽試料採取▽疑惑のある施設への随時訪問--などが含まれる特別査察を望んだが、北朝鮮は受け入れず、米国はこれを理由にテロ支援国家指定解除を保留しているのだ。
そのほかにも▽今年5月の韓米首脳会談で取りあげられた北朝鮮の人権問題▽米民主党の党大会--など北朝鮮が後日を約束する際、一度ブレーキをかけたくなる懸案が多かった。
現段階としては北朝鮮外務省の声明がそのまま「核対話」の破局を意味すると受けとめる必要はなさそうだ。ひとまず米国と北朝鮮が4月のシンガポールでの協議で、膠着(こうちゃく)状態を解消し「合意可能な部分についての合意」を通じて、関係改善を試みようとした政治、経済的な状況は現在も不変だ。
終わりが見えないイラク戦争、悪化の一途をたどるアフガン情勢、残り少ない任期--などでブッシュ大統領の政治力は弱まり、強硬姿勢に転じるのが容易ではない。
北朝鮮もそうだ。米国の食糧援助は食糧難の打開に緊要であり、韓国政府との対立を持続させるためにも米国との友好的な雰囲気が必要とされる。名分の問題もある。7月の6カ国協議首席代表会談で、08年10月末までに相互の義務履行を完了することで一致したのに、期限切れでもない時点に「核対話」の場を壊してしまう名分はどちら側にもない。
諸情況をまとめてみる場合、北朝鮮が望むのは破局ではなく進行中の「検証システムをめぐる交渉」で希望する結果を獲得することかもしれない。しかし中長期的な核解決の見通しは依然暗く不透明だ。
紆余曲折のすえ、検証システムが作られるとしても、核問題の解決に実際に寄与できるかも気がかりだが、本格的な核兵器の廃棄に向けた第3段階交渉が果たして開かれるだろうかというのが焦眉の問題だ。
▽現在、議題から外されているウラン濃縮計画が存在するかどうか▽北朝鮮とシリアの核協力をめぐる疑惑をどのように処理するか--というのも重要な課題だ。
北朝鮮が「最小限の核抑制力」という名分を掲げて、保有中の核兵器と核製造に向けたインフラを固守するのではないかという問題は、韓国が絶対に目を離さず注視しなければならない重大な懸案だ。
北朝鮮は今回も「韓半島とその周辺には米国の核兵器が通過してもいけない」とし、90年代初めに主張した「韓半島非核化の案」を再登場させた。北朝鮮の役人は忘れかけたころになると「米国は核を保有している北朝鮮を忘れてしまってはならない」という発言を繰り返している。
こういったものが単なる交渉のためのものなのか、核兵器の固守に向けた論理なのかはまだ明らかでない。しかし韓半島に核の暗い影を落とす言行であることには間違いない。「北朝鮮の核廃棄がすなわち韓半島の非核化」に慣れていて、これにこだわる米ワシントンの役人らが留意しなければならない部分である。
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