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北の女性スパイ、ターゲットは軍将校



脱北者を装って韓国に潜入しスパイ活動をしていた疑いで逮捕されたウォン・ジョンファ容疑者(34)の主なターゲットが軍将校だったことが分かり、軍当局は衝撃に包まれている。

領官級(佐官級)将校を含む計7人の将兵が女性スパイに情報を渡したり、接触対象だったということが、軍の保安と防諜(ぼうちょう)を担当する国軍機務司令部(機務司)の説明だ。


軍を対象にしたスパイ活動の摘発は、1986年に北朝鮮からスパイ工作の任務を受けた在日韓国人が軍将校に任用された事件以来22年ぶり。

何よりも問題点と考えられるのは、一部ではあるものの極度に緩んだ軍将校の精神状態だ。ウォン容疑者とともに逮捕されたファン某容疑者(現在中尉。来年大尉に進級の予定。26)は昨年10月、ウォン容疑者が「私は北朝鮮保衛部に所属する工作員で、任務は軍幹部を抱き込むこと」と打ち明けたにもかかわらず、申告どころか活動を助けた。

機務司は「ファン容疑者が焼却すべきファックス資料や文書をウォン容疑者と一緒に密かに焼却したこともある」と伝えた。また「ファン容疑者は“ウォン容疑者を愛していたため”と供述している」とした。

ウォン容疑者は「脱北者」と装って合法的な地位を確保し、結婚情報会社を通じて軍将校を攻略対象にするなど、北朝鮮機関の軍を狙った工作は高度化していたが、軍当局の対策はずさんだった。

李相熹(イ・サンヒ)国防部長官は27日、「軍幹部がかかわっていたのは遺憾であり、国民の皆さまにお詫びの言葉を申し上げたい」と明らかにした。

国防部は▽全軍に対する特別保安診断▽将兵への精神教育▽脱北者出身講師への身元情報確認の強化--などの対策づくりに乗り出した。



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