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【社説】宗教間の不和が広がってはいけない

宗教差別を理由に聖職者と信徒たちが大々的な反政府デモを行うという。ソウル広場で今日開かれる「憲法破壊・宗教差別李明博政府糾弾汎仏教徒大会」だ。曹渓宗だけではなく天台宗、太古宗なども共に参加する過去最大規模の行事だ。

仏教界がここまでするにはそれだけの理由がある。政府は発足時から所望(ソマン)教会の人脈を重視し「コソヨン内閣」(高麗=コリョ=大学卒で、所望=ソマン=教会に通い、嶺南=ヨンナム=地方出身のそれぞれの頭文字をとってコソヨン)といわれた。

青瓦台元警護処次長は「すべての政府部処の福音化が私の夢」と発言した。金聖二(キム・ソンイ)保健福祉家族部長官は「信仰心が足りず、社会福祉政策がうまくできなかった」と述べた。また浦項市をキリスト教都市にするのに予算1%を使うとした浦項市長は中央公務員教育院長に任命された。全国警察福音化断食大聖会広報ポスターに魚清秀(オ・チョンス)警察庁長官警察庁長官の顔写真がチョ・ヨンギ汝矣島巡福音教会牧師と並んで写った。


国土海洋部の「交通情報システム」、教育科学技術部の「教育地理情報システム」に教会と聖堂は入っているのに、寺はなかったこと、曹渓寺入口で警察が曹渓宗総務院長であるチグァン僧侶の乗用車の中とトランクを検閲したことなど、新政府がキリスト教をひいきして、仏教を差別したという誤解を呼ぶだけのことが続いて来たのだ。

この事態はキリスト教長老の李明博大統領と関連があるとと見られている。ソウル市長在職時代「ソウル市を神様に奉献する」という発言で、ほかの宗教の反発を買った。大統領就任後にはこれを踏まえてさらに神経を使い、警戒すべきだ。誤解を呼ぶような事態が続けば、公職者たちの宗教偏向的行為を禁止してこれを違反すれば懲戒するという明確な指針を下さなければならなかった。

韓国社会で宗教的平和は極めて価値のあるものだ。2005年統計庁の調査を見れば4700万国内人口のうち1072万人が仏教、861万人がプロテスタント、514万人余りがカトリック信者だ。そのほかの宗教信者もかなり多い。それでも我々はキリスト教界と仏教界が釈迦誕生節とクリスマスを互いに祝うほど世界で珍しい宗教平和を享受している。地球上には中東や北アイルランド、アフリカのように宗教紛争で血なまぐさい国が多い。韓国憲法が宗教差別禁止と政治と宗教分離条項を置いたのはこうした事態を防ごうという主旨だ。仏教界のデモが続けば、結局ほかの宗教の反発を呼んで新しい宗教紛争の種になることもある。

大統領は先頭に立ってこれを阻まなければならない責任がある。その方法は明白だ。青瓦台の首席会議の発言で済ませるのではなく対国民談話文を発表することだ。もしも大統領の意図がそうではなかったしても仏教界がそのような疑惑を持ったなら、大統領が謝罪する方がよい。公職者たちが宗教偏向的行為をすれば人事上、不利益や懲戒を加えるという意思も明確に表明しなければならない。仏教界も大会を宗教行事らしく平和に進行する責任がある。



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