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<コラム>中国内の反韓感情は危険水準

 中国の胡錦濤・国家主席が25日、韓国を訪れた。 中国国家主席が在任中に韓国を2度も訪問したのは今回が初めてだ。 人口13億人の中国が7年間準備した北京オリンピック(五輪)が閉幕してからわずか13時間後のことだ。 中国の次期駐韓大使に程永華・現マレーシア大使が内定したという声も聞こえる。 外務省局長級で、歴代の駐韓大使では最高位となる。 韓国を重視した措置だ。

しかし両国政府間の関係進展とは違い、民間レベルの感情対立は憂慮される水準に高まっている。 24日の五輪閉幕式を見た韓国人は興奮するしかなかった。 閉幕式で東海(トンへ、日本名・日本海)を「日本海」と表記した地図が登場したからだ。 中国を非難する声が一斉に出てきたのは当然だ。

もっと深刻なのは中国内で起きている反韓感情だ。 北京五輪で露骨に表れた。 開幕式で選手団が入場する際、韓国は歓待を受けなかった。 台湾と日本の選手団に対する大きな拍手が韓国にはなかった。 「孔子の3000弟子」に登場した公演者の「友が遠方より来る、こんな楽しいことはない」(有朋自遠方来不亦楽乎)という叫びが色あせる。


アーチェリー決勝戦で、韓国選手が弓を引く際、中国の観衆が口笛を吹いて競技を妨害したのはまだましだ。 五輪野球の韓日戦で日本を熱狂的に応援する中国の観衆を見て、韓国国民はまた驚いた。 韓国がいつから日本よりも憎らしい存在になったのか。 SBS(ソウル放送)が放送局間の約束を破って五輪リハーサル場面をまず報道したのが、反韓感情を触発させた面もある。 しかし中国の反韓感情は今回だけでなく累積した結果だという指摘が多い。

今年に入って反韓感情をあおる報道が中国のメディアとインターネットを飾った。 妙なのは、こうした報道が韓国主要メディアを引用した形になっているという点だ。 5月にある中国のネットユーザーが「ソウルでの五輪聖火リレー当時の暴力デモで調査を受けた中国人学生が10年懲役刑を受けた」という文を広めた。 中央デイリーを引用したというが、ねつ造だった。 7月末には新快報が朝鮮日報を引用して報道するとして、「成均館(ソンギュングァン)大のパク・ブンギョン教授が孫文は韓国血統という論文を発表した」と伝えた。 やはりねつ造だった。 8月には中国の捜狐ドットコムが東亜日報の引用として、「ソウル大のパク・ヒョップン教授が『中国が五輪開幕式で見せた羅針盤は韓国の発明品だ』と主張した」という文を載せ、中国人を激怒させた。 パク教授は架空の人物で、こういう報道もなかった。

問題は、中国内の一部のメディアとネットユーザーが誤った情報で韓国を猛烈に非難している点だ。 なぜ反韓感情をあおる根拠もない報道が中国で流行するのか。 中国の韓国専門家らは「2005年に韓国が江陵(カンルン)端午祭を国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界無形遺産に登録したことで、反韓感情が強まり始めた」と分析している。 韓国が中国の伝統遺産を強奪していくという誤解が、反韓感情の基礎となっているのだ。

しかしもっと重要な問題は、誤った情報に基づいた中国人の憤怒が中国当局によって管理されず放置されている点だ。 中国当局には、両国民の感情を害するこうした誤った報道を正す能力は十分にある。 中国陸上スターの劉翔が競技をあきらめた際、直ちに中国当局は書き込みを徹底的に管理し、こうした能力を見せた。

韓中両国は昨日、戦略的協力同伴者関係への格上げに伴う実行案を議論した。 しかし両国関係の本当の意味での格上げをためには、まず信頼が形成されなければならない。 交流増加に伴って摩擦が増える状況では、すべての問題を事前に予防することはできない。 信頼があれば、どんな紛糾でも円満に解決できるのではないだろうか。 両国の信頼を害して不信感を助長する一部の中国メディアおよびネットユーザーの姿勢に対し、中国当局の責任ある措置が必要な時だ。



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