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オランダ・アムステルダムの国立美術館入口の壁面に掛けられたルーベンスの「シモンとペロ」。 一見すると春画と変わらず、不快な感情を表す観覧客も少なくない。 白髪の老いた囚人が、若くて美しい女性の胸を吸う場面だ。 しかし古代ローマ歴史家のワレリウス・マクシムスが伝える事情を聞くと頷ける。 老いた囚人は、監獄に閉じ込められて餓死の刑罰を受けることになった父シモン。 シモンの一人娘ペロは面会に行ったが、飢える父を見かねて自分の胸を出し、母乳を施した。 ペロの愛に感動したローマ当局はシモンを釈放したという話だ。 扇情的な絵が崇高な名画に変わる瞬間だ。
感動的な伝説は限りなく繁殖する。 世界最高のブランドチョコレートの「ゴディバ」。 今でもこのチョコレートを食べながら1000年前のゴダイヴァを思い出す。英語で観淫症患者を意味する‘peeping Tom’もこれに由来する。 ゴダイヴァ伯爵夫人の裸を一人でこっそり盗み見て、目が見えなくなった裁断師の名前がトムだ。シモンとペロの話も同じだ。 無数に枝分かれする。 16世紀以降、最も多くの画家が扱った素材が「ローマの慈悲」。 背景は少しずつ違うが、シモンとペロの伝説を込めた作品だ。
韓国野球が夢と希望を実現した。 金卿文(キム・キョンムン)監督がオリンピック(五輪)金メダルを獲得した後に公開した夢は変わっている。 金監督が明らかにした夢のタイトルは「ヌードインタビュー」。 北京へ行く前、裸のまま記者に囲まれてインタビューをしたという困惑させる内容だ。 ‘吉夢’という話を聞いた金監督は幸運が逃げるのではと思って黙っていたという。 久々に‘ヌード’や‘裸’という表現が愉快に感じる。 ゴディバのチョコレートやペローの胸よりもはるかに甘い感じだ。潤いのない世の中に、韓国野球は目覚めたくない真夏の夜の感動だった。 これからも金監督に毎晩、裸になる夢を見てもらうことはできないだろうか…。
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