オランダ・アムステルダムの国立美術館入口の壁面に掛けられたルーベンスの「シモンとペロ」。 一見すると春画と変わらず、不快な感情を表す観覧客も少なくない。 白髪の老いた囚人が、若くて美しい女性の胸を吸う場面だ。 しかし古代ローマ歴史家のワレリウス・マクシムスが伝える事情を聞くと頷ける。 老いた囚人は、監獄に閉じ込められて餓死の刑罰を受けることになった父シモン。 シモンの一人娘ペロは面会に行ったが、飢える父を見かねて自分の胸を出し、母乳を施した。 ペロの愛に感動したローマ当局はシモンを釈放したという話だ。 扇情的な絵が崇高な名画に変わる瞬間だ。
感動的な伝説は限りなく繁殖する。 世界最高のブランドチョコレートの「ゴディバ」。 今でもこのチョコレートを食べながら1000年前のゴダイヴァを思い出す。英語で観淫症患者を意味する‘peeping Tom’もこれに由来する。 ゴダイヴァ伯爵夫人の裸を一人でこっそり盗み見て、目が見えなくなった裁断師の名前がトムだ。シモンとペロの話も同じだ。 無数に枝分かれする。 16世紀以降、最も多くの画家が扱った素材が「ローマの慈悲」。 背景は少しずつ違うが、シモンとペロの伝説を込めた作品だ。
感動的な伝説は限りなく繁殖する。 世界最高のブランドチョコレートの「ゴディバ」。 今でもこのチョコレートを食べながら1000年前のゴダイヴァを思い出す。英語で観淫症患者を意味する‘peeping Tom’もこれに由来する。 ゴダイヴァ伯爵夫人の裸を一人でこっそり盗み見て、目が見えなくなった裁断師の名前がトムだ。シモンとペロの話も同じだ。 無数に枝分かれする。 16世紀以降、最も多くの画家が扱った素材が「ローマの慈悲」。 背景は少しずつ違うが、シモンとペロの伝説を込めた作品だ。
この記事を読んで…