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もちろん人口が13億人にもなる中国でも姓氏が500程度にしかならないことを考えれば、決して少ない数ではない。 しかし日本の30万とは比較にならない。
洋の東西を問わず、姓氏は父系を通じて伝えられてきた。 イスラエルでは3000年前から寺院の司祭がコーヘン(Cohen)という姓を使った。 西洋では12世紀ごろ、職業や生地だけでは成人の名前や身分を区別するのが難しくなり、姓が登場し始めたという(スティーブ・ジョーンズ著『自然の唯一の失敗-男』)。
中国で姓氏が広く使われ始めたのは2000年も前のことだ。 今回の北京五輪開幕式を通じて改めて人類の師に浮上した聖賢・孔子の後えいは、中国大陸内の250余万人を含め、全世界的で300万人を超えるという。 来年出る「孔子世家譜」修正版には、少なくとも180万人の孔子の後えいが収録される見込みだ。 孔子の後えいでありながらも族譜に載せる根拠資料がない人たちは、DNA鑑定で立証することを望んでいるが、族譜編纂委員会がこれを拒否したという声も聞こえる。
生物学的に見ると、父系を象徴するのはY染色体だ。 姓氏が代々続くように、性を決定するY染色体は父と息子を遺伝的につなぐ役割をする。 男性の場合、22組の染色体に性染色体のY染色体とX染色体を1本ずつ持つが、女性の2本のX染色体が対をなす。
Y染色体でたんぱく質生産を決定する遺伝子の数は、X染色体に比べて10分の1にすぎない。 色盲・自閉症・血友病など遺伝子が男性で主に表れるのは、一つだけのX染色体が故障した場合、補完できないからだ。 一部の学者らは、Y染色体の質が少しずつ落ち、12万年後には消えてしまうと主張する。
最近の英国インディペンデント紙の報道によると、英国には夫が妻の姓に従う新しい風潮が登場しているという。 まだ従来の慣習のため、婚姻届ではなく別途の法的手続きを踏んでこそ変えられる状況だ。 しかし社会慣習の変化、生物学的な進化の結果として、姓と性の区分もなくなる時代が到来するかどうかは誰にも分からない。
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