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他の統計もホームの利を後押ししている。ワールドカップ(W杯)サッカーの場合、1930年にウルグアイで始まって以来これまで一度も開催国が16強で脱落したことはない。 米国プロ野球ワールドシリーズで1924-82年に5戦以上を行ったゲームを分析した結果、ホーム試合の勝率は60%となった。
ホーム試合はなぜそれほど有利なのか。
選手の立場では男性ホルモンのテストステロンが主な原因という。 2002年3月に英国心理学会で発表された研究結果だ。 ホーム試合で英国サッカー選手らのテストステロン数値はアウエー・練習試合に比べて40-70%高まることが分かった。 テストステロンは支配力、自信、攻撃性と関係があるホルモンだ。 動物が外部侵入者から自分の領域を守ろうとして攻撃する時に分泌される。 ホームでは選手のこうした本能が強く目覚めて勝率を高める、と研究チームは説明する。
応援に左右される審判の問題もある。 2002年5月に英国の「ニューサイエンティスト」誌に掲載された研究結果だ。 研究チームは47種類のタックル状況を2つのグループの審判に見せ、ファウルかどうかを判定させた。 その結果、ホーム観衆の喚声を聞かせた審判グループは、そうでないグループに比べてホームチームに15%も少なくファウルを宣言した。 ここまではフェアプレイ精神に背かない正常なホーム効果と見ることができる。
しかし北京五輪で中国が見せているのは正常でない。 14日のアーチェリー女子個人戦の決勝では、朴成賢(パク・ソンヒョン)が最初の弓を引く瞬間から「ピー」という観客の笛の音がアーチェリー場に響いた。 16日のドイツと中国のバスケットボール試合では、審判が終了30秒を残して、明らかな中国側のファウルをドイツのファウルと判定した。 両競技ともに中国が辛うじて勝った。こういうケースは多い。
中国が予測モデルより多くのメダルを獲得すれば、ジョンソン教授はどう解釈するだろうか。 今後のジョンソン教授のモデルでホームグランドの利点を計算する際、「非正常的なホームの利」という加重値項目をつくる必要がありそうだ。
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