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この日午後、自転車と飛び込みで韓国選手は最下位となった。 基礎種目での底辺が脆弱な韓国スポーツの現実が改めて浮き彫りになった瞬間だったが、その中でも孤独に自分との戦いを繰り広げる最下位の闘魂は光を放った。
韓国唯一の飛び込み代表、孫成哲(ソン・ソンチョル、21、韓国体育大)選手は18日、元気なく競技場を去った。 孫選手は北京ナショナルアクアティックセンター(ウォーターキューブ)で行われた飛び込み男子3メートルスプリングボード予選で6ラウンド合計353.35点となり、29人中29位となった。
孫選手は競技2日前の16日に北京入りした。 孫選手は予選競技を終えた後、「北京にいる時間があまりにも短くて、本当に五輪に来たのかまだ実感がわかない」と語った。
北京合流が遅れたのは限定されたADカード(競技場出入証)のためだった。 大韓体育会は今回の五輪で選手3人当たり指導者1人のADカードを配分した。 飛び込み代表チームはイ・ジョンヒ・コーチと孫選手の2人で構成された超ミニチーム。 イ・コーチがADカードを受けるためには、他の種目が競技を終えて帰国するまで待たなければならなかった。
イ・コーチは「現地適応時間は短かったが、競技場への適応に特に問題はなかった」と述べた。 「むしろ孤独なのがつらかった」と付け加えた。 イ・コーチは「同僚がいないので孫成哲が寂しそうだった。 初めての五輪出場なのでかなり緊張していたが、そばで元気付けてくれる友達がいなかった」と説明した。
孫選手は「他の選手は演技を終えれば拍手を受けるが、自分には何の音もなくシーンとしていたのでもっと緊張した。 五輪初参加の感想といえば‘孤独’だった」と話した。
この日行われた飛び込み予選の観客席には中国のホームファンをはじめ、各国応援団が見られた。 日本チームの場合、寺内健(予選10位、452.80点)を応援するため、北島康介(平泳ぎ2冠)ら水泳代表チームが観客席に来ていた。
2月に北京で開かれた国際水泳連盟(FINA)飛び込みワールドカップ(W杯)で辛うじて北京五輪チケットを手にした孫選手は、その後6カ月間、国内外大会に一度も出場できなかった。 実戦経験が絶対的に不足していた。 孫選手とイ・コーチは「19日に行われる決勝戦の競技は必ず見にいく」と言って競技場を去った。
<北京五輪>「最下位選手にも拍手を」(2)
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