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【噴水台】ビール・ゴーグル効果



欧州の人がビール、アジアの人が緑茶をよく飲むことには衛生的、人種的な背景がある。

「水は人を殺すことができるが、ビールは大丈夫だ」という欧州のことわざがある。


古代欧州の人々は、水は沸かして飲むのが安全だという事実を知らなかった。ビールを水の代わりに飲めば水因性伝染病にかからないというのは経験的に分かった。アルコールの殺菌力のおかげだ。

中国古代神話上の帝王、神農が治めた古代中国は欧州より一枚上手だった。科学者だった神農は衛生管理のために水を徹底的に沸かして飲むよう、民に教えた。あるとき自身が毒草に中毒し苦しんだが、お湯に偶然飛び込んだ木の葉をともに飲んで体調を取り戻した(唐の文人、陸羽が著した『茶経』)。これが緑茶の起源だ。

相対的にアジアの人が酒に弱いのも、緑茶への愛をあおった。アジア人の飲酒力が欧州人に比べて落ちるのはアルコール分解酵素が多すぎたり足りないためだ。

過剰なのはADH(アルコール脱水素酵素)だ。韓日中など北東アジアの人の半分近くがADHを持つ。この酵素はアルコールを、二日酔いの主犯アセトアルデヒドで速やかに分解する。欠乏するのはALDH2(アセトアルデヒド脱水素酵素)だ。ALDH2はアセトアルデヒドを無害な酢酸に変える酵素だ。アジア人のうち、正常なALDH2を持った人の割合は約5割にすぎない。アジア人は悪名高いアセトアルデヒドを体内により長く、より多く溜めているわけだ。ビールなど酒を飲みすぎた場合、心身に加えられる損傷は大方の人が経験した通りだ。最近「ビール・ゴーグル(beer goggles)」が追加された。ビールは麦酒を、ゴーグルはスポーツなどに使用するメガネを意味するが、ゴーグルの代わりに焼酎、ワイン、ウオッカを入れても意味は同じだ。ビール・ゴーグルは一言で「飲酒後に性的な欲求に対する抑制力が低下する効果」だ。酒を飲めば普段関心がなかった女性がきれいに見え、好感がわかない男性に「素敵」と連発する一種の錯覚現象だ。

最近英プリストル大学の研究チームはこれを実験で立証付けた。84人を2グループに分けた後、一方のグループには少量のウオッカを、もう一方のグループにはソフトドリンクをそれぞれ飲ませた。約30分が経過した後、40枚の顔写真を見せて魅力の点数をつけるよう注文した。飲酒者は酒を飲んでいない人より10%ほど高い点数を与えた。好感は異性はもちろん同性に対しても表れた。

普段無関心な夫が酒を飲んで帰ってきては「野獣」に変わるのも、ビール・ゴーグル効果と考えられる。しかし酒は少量を飲むときのみ「催淫(さいいん)薬」であって、適量を超えれば「一時的な勃起(ぼっき)不全誘発剤」という事実をご存知だろうか。「朝の酒は石、昼間の酒は銅、夜の酒は銀、3日に1回飲む酒は金」という『タルムード』の格言を繰り返し考えてみることで、ビール・ゴーグル効果のために不覚の一敗を喫すのを予防できるだろう。



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