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五輪野球の韓日戦、心の中では決勝戦 1

ハン・デファ三星(サムスン)首席コーチは今も国内リーグの試合が終わると、食事をしに大邱隣近の行き付けの刺身の店に立ち寄る。ここでお客さん何人かから26年前のことを言われる。すっかり酔った40、50代たちが、たいてい声をかけて来る。いつもそんな調子だ。

「あのときの3ランは本当にすごかった」

1982年9月14日、ソウル蚕室球場。第27回世界野球選手権大会韓日戦で出たハン・デファの3ラン。大韓民国スポーツの80年代は、ハン・デファの3ラン、キム・ジェバク(LG監督)の幻想的な「蛙バント」に始まり、88年ソウル五輪で締めくくられたと言っても過言ではないだろう。


ハンコーチもその言葉が出れば必ずする話があるのだが、大きく2つ。1つはキム・ジェバクのバント(8回同点スクイズバント)はサインミスだったということ。もう1つは「私たちはそのゲームで決して負けることができなかった。いや、負けてはいけない試合だった。日本が独島(トクト、日本名・竹島)は自分の領土だと言い張り、選手団の雰囲気も終始、戦争を経験する感じだった」。独島領有権をめぐる日本の執拗な主張も数十年以上続いていた上、あのときも今も韓日野球は、野球を、スポーツを超えた戦いだった。「蹴鞠をしても韓日戦なら観衆が集まる」という言葉は冗談ではない。




→2へ続く 五輪野球の韓日戦、心の中では決勝戦(2)

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