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ARF「金剛山文言削除」騒ぎ、北の外交戦に負けた結果

「10月4日宣言」めぐる北朝鮮策略…粗末な対応で恥

東南アジア諸国連合(ASEAN)地域安保フォーラム(ARF)の議長声明から、北朝鮮南東部の金剛山(クムガンサン)で発生した韓国人観光客射殺事件と、昨年10月4日の南北(韓国・北朝鮮)首脳会談をめぐる記述が削除されたことで、政府を批判する声が広がっている。

27日、保守派は「金剛山韓国人観光客射殺事件を国際社会に訴えようとしたが、物笑いの種にされた」と批判した。進歩派は「政府が10月4月の宣言自体を否認する格好となり、南北関係だけより厳しくなった」と反発している。


しかも北朝鮮の緻密な外交戦術を読み取れず10月4日の宣言が声明に含まれるのを防げないなど、韓国の外交力の限界をあらわにした、というのが大方の見方だ。

当初ARF議長国のシンガポールが23日に作成した声明草案には、金剛山事件が含まれていなかった。半面、北朝鮮が強く求めた「参加各国長官が10月4日の宣言と南北首脳会談を歓迎する」という文言は盛り込まれていた。

これに対し、シンガポール側は韓国政府に金剛山事件を含める可能性を伝え、政府は「10・4宣言を歓迎する」という文言の修正も要請したとされる。

これによりシンガポール側が作った修正案には「金剛山事件の早期解決を期待する」が入り、10月4日の宣言については「10・4日宣言を注視する」という表現に変わった。

しかし24日、シンガポール側がARF会議後に発表した最終案には「10月4日の宣言に基づいた南北対話を支持する」という文言が新しく盛り込まれた。政府は即時に異議を申し出たが、シンガポール当局者は儀典担当者を除いては全員いなくなった。

当時北朝鮮も、金剛山事件が声明に含まれるとシンガポール側に強く反発し、シンガポール側は一切の接触のラインを絶ってしまったものとみられる。

結局、翌日、李容濬(イ・ヨンジュン)外交通商部次官補がシンガポール次官に会って問題点を指摘すると、シンガポール側は金剛山事件と10月4日宣言、いずれも削除する折衷案を示した。李次官補はソウルの権鐘洛(クォン・ジョンラク)外交部第一次官から訓令を受け、それを受け入れたとみられる。

こうした一連の過程をめぐり、政府が北朝鮮の「シンガポールに対する外交戦術」を見過ごしたのではと批判する声が広がっている。

シンガポールのジョージ・ヨー外相は今年5月、9人の経済視察団を率いてシンガポール外相としては初めて北朝鮮を訪問した後、中国を経由して帰ってくるなど両国関係は「改善一路」にあった。

朴義春(パク・ウィチュン)北朝鮮外相のARF出席日程には、そのために「シンガポールへの公式訪問」も含まれていた。したがって政府が、北朝鮮を意識せざるを得なかったシンガポールの立場を重要な要素として考えていなかったのでは、という見方が出ている。

北朝鮮問題の専門家は「根本的に、南北問題を国際社会で問題化させる場合、深く悩まなければならない」と強調する。北朝鮮も真っ向から対抗し「実力対決」が繰り広げられるはずだからだ。

東国(トングク)大学のキム・ヨンヒョン教授は「政府はARFを準備する際、北朝鮮が取り出すかもしれない特別なケースまで視野に入れていなかったようだ」と話している。

匿名を求めた北朝鮮専門家は「スタート初期に現政権が見せてくれた“北朝鮮への無対応戦略”で分かるように、北朝鮮問題を優先順位で後回しにし、南北関係の敏感性を軽視したまま悩まなかったのが今回の事態の本質といえる」という見方を示した。





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