ソウル地方警察庁が狂牛病国民対策会議核心関係者ら１４人を相手に３億３０００万ウォンの損害賠償請求訴訟を起こすことにしたという。これらがろうそく集会を主催し、道路を無断占拠して交通を邪魔し、警察官に傷害を加えた上に警察バス、無線機、鎮圧装備を奪ったり壊したりして人的・物的被害を受けたというのだ。ソウル光化門一帯の商店経営者ら１００人も１７億余ウォン（約１億８千万円）の損害賠償訴訟を申し立てた。我々は平和的な集会とデモは最大限保障されなければならないが、暴力・不法デモに対しては主催側に民・刑事上責任を問わなければならないと何回も強調してきた。権利行使には必ず責任がともなうという点で警察と市民たちの今回の訴訟申し立ては当然で正しい措置だ。

不法集会やデモに対して刑事処罰と別に公共機関や市民たちが訴訟を起こすことは先進民主国家の慣行だ。最近、国内でも公共機関が不法デモ被害に対して損害賠償訴訟を相次いで出している。裁判所も被害弁済を認める情勢だ。韓米自由貿易協定（ＦＴＡ）反対デモと関連し、地方自治体と警察は主催側を相手に７件の訴訟を起こした。清州地方裁判所は忠北道と忠北警察が「韓米ＦＴＡ阻止忠北道民運動本部」関係者１１人を相手に起こした訴訟で「被告は１０１８万ウォンを支給せよ」と判決した。裁判署は判決文で「暴力を伴う不法デモに対しては主催側が責任を負わなければならない」と明らかにした。光州地方裁判所も国家が「パトリオットミサイル反対光州・全南共同対策委」を相手取った訴訟で原告勝訴判決を下した。主催側は参加者たちが他人の財産を侵害しないように秩序を維持する義務があるという趣旨であった。「暴力は参加者たちの偶発的行為だった」という被告側の主張は受け入れなかった。

集会・デモ過程で特定集団や国家が損害を被った場合、主催側に賠償を請求することは当然だ。ここに暴力が伴われれば主催側の正当性と動機の純粋性まで毀損される。暴力デモ主動者に民・刑事上責任を同時に問うことは、社会安全性と法の公平性維持の次元でも妥当だ。我々はこのような認識とシステムが慣例に定着し、不法・暴力デモが韓国社会から退出することを期待する。