猛暑を避けて日陰を訪れる人々と違い、ひまわりは熱い夏の日ざしがうれしくて仕方ありません。ぱーっと咲いたひまわりでいっぱいの花壇を眺めて私たちもしばらく熱さを忘れます。

ところで風景が少し妙です。まるでこのごろの原油高の中、話題になっているバイオ燃料を生産するためにひまわりを植えた工場のように見えます。写真はそのように見えますが、鉄鋼生産企業であるポスコ浦項（ポハン）製鉄所第１コークス工場周辺の風景です。右の上の丸いタンクは完成されたコークスを押し出す圧出機が使う圧縮空気タンクです。左に見える黄色い配管はコークス生産過程で発生したガスを燃料としてリサイクルするためのガス管です。コークスは原料炭である有煙炭を炉に入れて１０００～１３００度の高温で焼いたものです。コークスは鉄鉱石を高炉内で溶かす熱源であると同時に、鉄分を鉄鉱石から分離させる還元剤の役割をします。


ひまわりを植える前、ここは芝が植えられ、一部は雑草が伸び放題でした。コークス製造過程で発生したほこりにより、製鉄所内の別の地域に比べてもきれいとはいえませんでした。浦項製鉄所（所長オ・チャングァン）第１コークス工場の職員たちは４月“Ｍｙ Ｔｒｅｅ”イベントを開き「花壇の中の工場」を作ることにしました。コークスオーブン前約４９５０平方メートル（１５００坪）の空地にひまわりの種をまきました。

雑草を抜いて水を定期的に与えるなど、心をこめて世話をすると最近、ひまわりが満開になりました。４万５０００株に達するひまわりの花が伝える黄色いほほえみは、職員たちの足も軽くするといいます。大きなひまわりの葉がほこりを吸いとり、砒酸を防止する効果も得て周辺の環境がきれいになりました。会社側は環境にやさしい工場を作るという長・短期計画によって工場全域に菜の花、つた、アイビー、メタセコイアなどを植える緑化事業を推進しています。