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「北朝鮮軍部が中国を意識して西海から東海で、海から陸地に舞台を移し、結局、金剛山で事件を起こした」--。
国家安保戦略研究所ナム・ソンウク所長は金剛山観光客銃撃死亡事件の背後に北朝鮮軍部があると主張してきた。ナム所長は「6月、北朝鮮を訪問した中国の次世代リーダー習近平国家副主席が金正日国防委員長との面談で、北京五輪が開かれる西海(ソヘ、黄海)上では絶対に事件があってはいけないという意を強く伝えたそうだ」と話した。
1977年に設立された国家安保戦略研究所は形式上社団法人だ。国益戦略室など5室体制を揃えた民間研究所だ。しかし実際では国家情報院の傘下機関だという。そのため敏感な事案に公開発言はしにくい。そんな点でナム所長と中央SUNDAYとのインタビューは異例的だ。高麗大教授(北朝鮮学科)出身のナム所長は、昨年大統領選挙期間中、李明博候補キャンプで外交安保特補をし務めている。
次は一問一答要旨。
--軍部がどうして金剛山で事件を起こしたと思うか。
「西海ではなく東海(トンヘ、日本海)側のの陸地という点に注目しなければならない。合同参謀報告など多くの兆しから見た場合、ワタリガニの獲れる季節に西海上での挑発が予想されてきた。それがなかったのは中国の圧力のためだと思われる。北京五輪開幕日である8月8日からペンリョン島から2時間の距離にある青島でヨット競技が開かれる。だから西海砲撃戦は絶対に不可だというのが中国の立場だった。中国を意識して北朝鮮軍が西海から東海に、海から陸地に舞台を移して金剛山で事件を起こしたのだ」
--北朝鮮軍部挑発説を主張する根拠は。
「最近、北朝鮮内の権力闘いが激しかった。統一戦線部中心の開化派、すなわちチェ・スンチョル、イム・ドンウク統一戦線部副部長、チョン・ウンオブ民経連副会長ら金大中(キム・デジュン)盧武鉉(ノ・ムヒョン)政府にわたり南北首脳会談を成功させた人々をよく思わない勢力がある。保衛部、軍・社会安全省たちだ。韓国から得る経済の恩恵は良いが、思想弛緩、資本主義流入などに反対する勢力たちだ。これらの攻撃で今年の1月初めから統一戦線部など穏健勢力が制圧された。表面的理由は腐敗だった。チェ・スンチョルとチョン・ウンオブら200人が交代、あるいは調査を受けるために連行されたものと推定される。強硬派の圧勝だ」
--それでどんな現象が起こったのか。
「4月から前方軍人に“南韓は敵”という敵対教養及び思想注入事業が突然始まった。その後、異常現象が現われた。事例がある。板門店会談場所に南側または北側の観光客が入って行っても邪魔しないのが慣例だ。しかし4月中・下旬、南側観光客がいる会談所に北朝鮮軍人たちが入ってきて雰囲気が殺伐とした状況になったことが数回あった。「国外で南韓人に会うな」「南韓NGOの物資を受けるためには許可を受けろ」という指示もあった。政府対話もしばらくないという指針も出た。5月から事態は予告されていたのだった」
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