北朝鮮・中国の国境線に沿って道路建設
鴨緑江最上流にはラフティングコースも
中国が白頭山開発を通じて「白頭山工程」に積極的だが、北朝鮮は経済難で非常に無気力な様子だ。こんな現場を確認しようと15日午前、中国吉林省長白朝鮮族自治県から車に乗って北に40キロを駆け抜け、白頭山の南側登山路入口に到着した。吉林省直属の長白山保護・開発で管理委員会が昨年から集中開発している池南観光開発区だ。池南は白頭山天池を基準に、南側にある地という意味だ。
昨年7月、試験的に開放したこの地は、北京五輪を控えて今月末、国内外一般観光客を迎える。観光客を引き入れるために天池の南側頂上まで登れる往復2車線道路の舗装工事を終えた。この道路は北朝鮮と中国の国境線に沿って鴨緑江上流の中国側に建設された。北朝鮮側には道路は通っていなかった。
長白山開発で傘下に設立された国有企業である池南観光地管理公社所属の乗合車20台がこの道に沿ってどんどん観光客を乗せて運んでいた。観光客たちが天池がある頂上まで行くためには100元(約1570円)の入場料と別に乗合車料金80元を出さなければならなかった。
臨時の切符売り場から北朝鮮と中国の国境線に沿って10キロ上がると中国側国境守備隊の建物が見えた。この部隊のすぐ上で正式に切符売り場が営業を始める予定だ。200台を止めることができる大型駐車場の最終工事もピッチをあげて進んでいた。
内・外国人観光客を乗せた中国人乗合車運転手はジグザグの山道に沿って危険に車を走らせていた。天然原始林が目の前に開かれるようだったが、頂上が近付くと潅木の森に続き、草原地帯が目の前に開かれた。
正式切符売り場を出発して40分もの間、30余キロを駆けぬけると天池に到着した。ブルドーザーと大型トラックが駐車場拡張工事をしていた。しかし10台ほど止めることができるこれまでの駐車場は中国領にあったが、拡張工事が進行中の所は明らかに北朝鮮の領土だった。
現地企業の関係者は「観光客が急増するのに頂上近くの険しい地形と国境線を考慮すると中国の方には駐車場になる場所がなく、昨年8月、北朝鮮領(約330平方メートル)を長期間使うことで北朝鮮側国境守備隊と契約したと聞いた」と明らかにした。また「中国側はその対価として北朝鮮国境守備隊が切実に要する“物品”を支援することにしたと言っていた」と付け加えた。彼は“物品”について「現金ではない。北朝鮮が今いちばん必要なものが何かはわかるだろう」と言った。「お金ではなく食糧を与えることにしたという話か」と再び問うと「当然だ」という目でうなずいた。
最近、この一帯を深層踏査したパク・ソンヨン・ポステック(浦項工科大)教授も「長白山管理で側関係者から同じような話を聞いた。領土を渡して食糧をもらう北朝鮮の惨憺たる現実が悲しい」と話した。
下山の途中、正式切符売り場上3キロの地点に中国池南観光地管理公社が運営するラフティング場があった。天池の水が流れて形成された鴨緑江の最上流清浄地域であるここから切符売り場まで3キロを下るコースだった。
中国人乗合車運転手は「80元さえ出せば中国と北朝鮮国境線のあちこちを行ったり来たりしながら幻想的なラフティングを楽しむことができる」と教えてくれた。会社の関係者に80元のうちいくらを北朝鮮側に与えるのか」と尋ねると「一銭もあげない」と話した。「北朝鮮兵士らからお腹がすいているから食べるものをくれと言われればいつでも与えることにしただけで、別途の利権契約はなかった」と明らかにした。それとともに「中国側は自然保護のために1級水にしか住まないヤマベ釣りを法で禁止しているが、北朝鮮兵士らがヤマベを釣る光景をよく見る。それほど食糧が不足していると聞いている。おとといは飢えた北朝鮮兵士が兵営を離脱したので、中国と北朝鮮守備隊が捜索作業をしている」と話した。
北朝鮮は白頭山天池の約55%を領有し、白頭山開発の主導権を握ることができる有利な位置にある。しかし現場を見ると北朝鮮は開発の能力も、意志もなさそうだ。むしろ中国に選手を奪われ、今の飢えを解決するために中国の“白頭山工程”に巻き込まれているのではないかという疑問すら感じた。
鴨緑江最上流にはラフティングコースも
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中国が白頭山開発を通じて「白頭山工程」に積極的だが、北朝鮮は経済難で非常に無気力な様子だ。こんな現場を確認しようと15日午前、中国吉林省長白朝鮮族自治県から車に乗って北に40キロを駆け抜け、白頭山の南側登山路入口に到着した。吉林省直属の長白山保護・開発で管理委員会が昨年から集中開発している池南観光開発区だ。池南は白頭山天池を基準に、南側にある地という意味だ。
昨年7月、試験的に開放したこの地は、北京五輪を控えて今月末、国内外一般観光客を迎える。観光客を引き入れるために天池の南側頂上まで登れる往復2車線道路の舗装工事を終えた。この道路は北朝鮮と中国の国境線に沿って鴨緑江上流の中国側に建設された。北朝鮮側には道路は通っていなかった。
長白山開発で傘下に設立された国有企業である池南観光地管理公社所属の乗合車20台がこの道に沿ってどんどん観光客を乗せて運んでいた。観光客たちが天池がある頂上まで行くためには100元(約1570円)の入場料と別に乗合車料金80元を出さなければならなかった。
臨時の切符売り場から北朝鮮と中国の国境線に沿って10キロ上がると中国側国境守備隊の建物が見えた。この部隊のすぐ上で正式に切符売り場が営業を始める予定だ。200台を止めることができる大型駐車場の最終工事もピッチをあげて進んでいた。
内・外国人観光客を乗せた中国人乗合車運転手はジグザグの山道に沿って危険に車を走らせていた。天然原始林が目の前に開かれるようだったが、頂上が近付くと潅木の森に続き、草原地帯が目の前に開かれた。
正式切符売り場を出発して40分もの間、30余キロを駆けぬけると天池に到着した。ブルドーザーと大型トラックが駐車場拡張工事をしていた。しかし10台ほど止めることができるこれまでの駐車場は中国領にあったが、拡張工事が進行中の所は明らかに北朝鮮の領土だった。
現地企業の関係者は「観光客が急増するのに頂上近くの険しい地形と国境線を考慮すると中国の方には駐車場になる場所がなく、昨年8月、北朝鮮領(約330平方メートル)を長期間使うことで北朝鮮側国境守備隊と契約したと聞いた」と明らかにした。また「中国側はその対価として北朝鮮国境守備隊が切実に要する“物品”を支援することにしたと言っていた」と付け加えた。彼は“物品”について「現金ではない。北朝鮮が今いちばん必要なものが何かはわかるだろう」と言った。「お金ではなく食糧を与えることにしたという話か」と再び問うと「当然だ」という目でうなずいた。
最近、この一帯を深層踏査したパク・ソンヨン・ポステック(浦項工科大)教授も「長白山管理で側関係者から同じような話を聞いた。領土を渡して食糧をもらう北朝鮮の惨憺たる現実が悲しい」と話した。
白頭山天池から鴨緑江に流れる最上流地域に作られた長さ3キロのラフティング場で16日、中国観光客たちがレジャーを楽しんでいる。(写真=チャン・セジョン特派員) |
下山の途中、正式切符売り場上3キロの地点に中国池南観光地管理公社が運営するラフティング場があった。天池の水が流れて形成された鴨緑江の最上流清浄地域であるここから切符売り場まで3キロを下るコースだった。
中国人乗合車運転手は「80元さえ出せば中国と北朝鮮国境線のあちこちを行ったり来たりしながら幻想的なラフティングを楽しむことができる」と教えてくれた。会社の関係者に80元のうちいくらを北朝鮮側に与えるのか」と尋ねると「一銭もあげない」と話した。「北朝鮮兵士らからお腹がすいているから食べるものをくれと言われればいつでも与えることにしただけで、別途の利権契約はなかった」と明らかにした。それとともに「中国側は自然保護のために1級水にしか住まないヤマベ釣りを法で禁止しているが、北朝鮮兵士らがヤマベを釣る光景をよく見る。それほど食糧が不足していると聞いている。おとといは飢えた北朝鮮兵士が兵営を離脱したので、中国と北朝鮮守備隊が捜索作業をしている」と話した。
北朝鮮は白頭山天池の約55%を領有し、白頭山開発の主導権を握ることができる有利な位置にある。しかし現場を見ると北朝鮮は開発の能力も、意志もなさそうだ。むしろ中国に選手を奪われ、今の飢えを解決するために中国の“白頭山工程”に巻き込まれているのではないかという疑問すら感じた。
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