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韓日関係を称して一衣帯水という表現を使用するのは主に日本人だ。 ひとすじの帯の幅ほどの細い海や川を間に挟んで隣り合っているという意味だ。 ところがその細い海には双子の噴火口が存在する。 「過去史」と「独島(ドクト)」という名前のこの噴火口は、普段は穏やかだが、一度活動を始めると途方もない爆発力を噴出する。 近年にもこの噴火口が爆発した記録がある。
1998年に発足した金大中(キム・デジュン=DJ)政権の初期には、いつの時よりも韓日関係が良かった。 DJは日本大衆文化を解禁したのに続き、小渕恵三首相とともに署名した「韓日パートナーシップ共同宣言」で、過去を直視するもののそれに拘束されない未来志向の韓日関係の構築を誓った。 「日本の癖を正す」という前任者の金泳三(キム・ヨンサム)大統領の発言で生じた滓は春雪が解けるように消えた。
しかし友好ムードは長続きしなかった。 2001年4月、日本の韓半島侵略を歪曲し美化した右翼団体の歴史教科書が日本政府の検定を通過したのだ。 玄海灘の噴火口がそろそろ活動を開始する頃、小泉純一郎首相は第2次世界大戦の戦犯に祭った靖国神社を電撃参拝し、火に油を注いだ。
盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権初期も雰囲気は良かった。 両国首脳が休養地でネクタイを外して会い、虚心坦懐な対話で友情を交わそうという「シャトル外交」が2004年7月に始まった。 盧大統領はさらに一歩進み、「自分の任期中は過去の問題を提起しない」とも語った。 その言葉が色あせるかのように今度は双子の噴火口が同時爆発した。 翌年2月、駐韓日本大使が「竹島(独島の日本名)は明らかに日本の領土」と発言すると、その後すぐに島根県は「竹島の日」を制定した。 歴史教科書波紋が4年ぶりに浮上し、葛藤が増幅されている渦中にも、小泉首相は所信を守って靖国神社に行った。 さらに盧大統領は「外交戦争」を宣布した。
ある人は韓日関係をシシュポスの神話に例えたりもする。 苦労して一つずつ積み上げた友好関係が、歴史葛藤や独島問題にぶつかると一朝一夕に水の泡となってしまう現実が、転がり落ちることを知りながらも岩を山頂にまで押し上げるシシュポスの運命と似ている。
同じく「未来志向」を誓った李明博大統領は、果たしてこのような運命から抜け出すことができるか。 その最初の試験舞台が迫っている。 日本政府が当初の方針通り、社会科学習要領解説書に「独島は日本固有の領土」と明記するのか、それとも撤回するのかが今日決まる。 最終判断は福田康夫首相にかかっているという。 しばらく静まっていた休火山がまた爆発するのはでないか、憂いを帯びた視線が玄海灘に集まっている。
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