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「低炭素社会」目指す日本(2)

日本の環境技術は太陽光発電技術に見られるように世界最高レベルに到達した。日本の自動車業界は燃費が2倍以上のハイブリット車を開発、販売している。日本政府はこれをもとに外交史を新たに書き直している。

世界第2位の経済大国でありながらも、「侵略者」という過去の歴史のため、これまで発展途上国への経済支援や平和維持活動(PKO)などの外交を繰り広げても大きな成果は得られなかった。

経済外交は‘発展途上国の心を金で買おうとしている’と皮肉られ、PKO派遣は軍事大国化への懸念のため冷ややかな目で見られた。こうした日本にとって地球温暖化とエネルギー危機はチャンスとなった。


60年代に深刻な環境汚染を経験した日本は、公害を減らす代替エネルギーの開発に全力を挙げた。その結果、日本は70年代の第1次石油ショック当時よりも少ない原油を輸入している(73年2億8969トン→06年2億4673万トン)。

日本と同じく一滴の油も産出していないにもかかわらず、世界最高水準のエネルギー消費増加率を見せている韓国とは正反対だ。日本の省エネルギーセンターの関係者は「2度の石油ショックを経験しながら省エネ型産業システムを構築したおかげ」と話している。国際エネルギー機関(IEA)によると、日本のエネルギー効率は米国と欧州連合(EU)諸国の2倍、中国・インドの8倍にのぼる。

環境外交パワーは日中首脳外交で立証された。胡錦濤・中国国家主席は今年5月の訪日期間中、松下工場を訪問し、「日本の優秀な環境・エネルギー技術を伝授してほしい」と要請した。中国政府が領有権問題で対立が激化した東シナ海ガス田の日中共同開発に合意したのも、日本のエネルギー開発技術に目を向けたためと考えられる。

福田首相は主要国首脳会議で「CO2の排出を統制する能力が持続的な経済成長の範囲を決める“炭素革命”時代が本格化している」とし「日本は率先して地球温暖化対策を強化する考えだ」と明らかにした。

「世界警察」の役割を果たしてきた米国がエネルギー・環境の分野で助演に転落する間、日本が急浮上しているのだ。日本の環境リーダーシップは発展途上国にも達している。

福田首相は「長い間蓄積された環境技術を一日も早く移転するよう努めたい」とし「アフリカへの政府開発援助(ODA)を倍増させ、発展途上国には今後5年間に100億ドル(約1兆円)を支援する」と約束した。

今回の洞爺湖サミットに主要排出国として招待されたインドネシアには3億ドルの「クールアース(Cool Earth)支援金」を提供した。日本の「環境奨学金」を受ける発展途上国が、日本の国連安保理常任理事国入りと対日経済協力の拡大にどんな態度を示すかは、火を見るより明らかだ。


「低炭素社会」目指す日本(1)

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