ＭＰ３プレーヤー「アイリバー」成功神話の主役が警察に捕まった。 警察は８日、「（株）レインコムの営業上の機密を盗用して会社を設立した疑いでイ・レファン容疑者を拘束した」と明らかにした。

警察はレインコム側の陳情で捜査に着手した。 イ容疑者はレインコムの創業メンバーで、ヒット商品「アイリバー」開発を主導した。 イ容疑者側は「該当技術は決別当時‘同業者の義理’で締結した協約に基づいて適法に使用したものだ」と反論している。

◇ＭＰ３神話の主人公＝イ・レファン容疑者は９９年、一緒に三星（サムスン）に勤務していたヤン・ドクジュン（５７）氏と意気投合し、レインコムを設立した。 通信部品会社として出発した同社は２０００年、ＭＰ３プレーヤー事業に参入した。 市場の反応は熱かった。 米国進出からわずか６カ月でシェア１位になった。 ０４年の売上高は４５４０億ウォン（約４５０億円）。 世界ＭＰ３市場の１１％を占めた。


しかし米アップル社の「ｉＰｏｄ」が登場し、競争が激しくなった。 売上高は減り、赤字が増えた。 そして０６年８月、イ容疑者は創業メンバー４人と一緒に退社した。

◇レインコムの陳情で拘束＝イ容疑者は退社の２カ月後、電子辞典会社の（株）エイツリーを設立した。 レインコムで勤務していた役職員９人も同社に移った。

エイツリーは０７年４月から「ＵＤ１０」など電子辞典５種類を販売、これまで２６０億ウォンの売上高を記録している。 現在市場１位のレインコム（シェア３０％）を脅かす水準（２５％）にまで成長した。

レインコムは３月、警察庁に陳情書を提出した。 「イ容疑者が電子辞典などの核心技術を盗用した」という内容だった。 レインコムは「４８億ウォンを投入して開発した技術を盗用し、今後１０年間に７２８億ウォンの損失が予想される」と主張した。 警察は「イ容疑者がレインコムの技術を盗用した」という結論を出し、拘束令状を請求した。 イ容疑者は７日夜、裁判所の令状実質審査の後、拘束された。