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現職大統領だったビル・クリントンが真珠で飾られた天国の門に入っていくと答えた人は、全体回答者の52%だった。 英国のダイアナ妃は60%だった。 2位となったテレサ修道女は回答者の79%の支持を受けた。 それなら誰が87%の支持を受けて1位になったのか。それは「自分自身」だった。 ほとんどの人は自分が天国に行くと答えた。
ここから分かることは? 人は自分を実際よりも立派だと考えたがるという点だ。 自分は普通の人よりも道徳的で、知的で、公正で、偏見も少なく、運転も他の人よりうまいと考える、というのが心理学者らによる調査の結果だ。
例えば、米国で高校の高学年100万人を対象に調査した結果、70%は自分の統率力は平均以上だと答えた。 平均以下と考える学生は2%にすぎなかった。 大学教授も同じだ。 94%が、自分は他の教授よりもうまく教える、と考えていた(『考えの誤謬』ヨルウム社)。
李明博(イ・ミョンバク)大統領とその周辺人物はどうか。 自分はより神様に近く、偏見が少なく、能力が優れていると考えていたはずだ。 選挙で圧倒的な支持を受けたという自信までもある。 それで「コ・ソヨン(高麗大学―ソマン教会―嶺南)内閣」や「カン・ブジャ(江南―不動産―富者)青瓦台(チョンワデ、大統領府)」という人事をはばからず断行したのではなかっただろうか。
しかし自信が行き過ぎると計画を誤ることが多い。 政府が何かのプロジェクトを推進する時も同じだ。 オーストラリア政府は57年、シドニーオペラハウスの建設を推進した。 700万ドルを投じて63年までに完工するという計画だった。 実際には1億2000万ドルも投入して73年にオープンした。 規模を当初の計画に比べはるかに縮小したにもかかわらずだ。
米国ボストン市が71年から野心的に推進したビッグディグ(Big Dig)という新しい地下道路体系を見てみよう。 当初26億ドルの費用で98年までに完成させる計画だった。 しかし工事は2005年に終わり、費用は148億ドルもかかった。
いわゆるMBノミクスの「747(年間7%成長、10年以内に1人当たりの国民所得4万ドル、世界7大先進国入り)」公約はどうなるのか。 次の大統領の任期中にでも実現できればよい。 そのためには今からどんな土台を作っていくのがよいのか、大統領と秘書陣が頭を悩ませるべきだろう。 国会出席を拒否する野党や、50余日間にわたりソウル都心を占拠したデモ隊の協調はないという前提で。
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