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【噴水台】言葉に注意

 ソウル世宗路(セジョンノ)のデモ現場に千正培(チョン・ジョンベ)民主党議員が現れたという。 千議員はデモ隊が積んだ土嚢に上がり、「みんなの要求が正当だと考える。みんなと一緒にするためにきた」と叫んだ。 すぐにインターネットには千議員を非難する文があふれた。 ネチズンが、2006年5月に盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の法務部長官だった千議員が「暴力は必ず処罰すべきであり、不法行為に厳正に対処する」と述べた平沢(ピョンテック)暴力デモに対する立場を検索して載せたのだ。 インターネット検索が力を振るう最近、発言や書き込みは本当に怖い。

次は米国社会批評家ハワード・ジンの『傲慢な帝国』(Declaration of Independence)の一部だ。 1960年代のベトナム反戦デモで混乱していた時期、あるハーバード法科大生が保護者と卒業生の前でこう演説した。 「わが国の街は混乱に陥っている。 大学は暴動と騒乱を起こす学生でいっぱいだ。 共産主義者はわが国を虎視眈々と破壊しようとしている。…そう、内部からの危険、そして外部からの危険。 …法と秩序なくしてわが国が生き残ることはありえない」。 長い拍手が続いた。 拍手が何度も起こると、その学生は聴衆に向かって静かに言った。 「今話したことは1932年にアドルフ・ヒトラーが演説したものだ」と。同じ法や定義でも誰の口から出てくるかによって全く意味が異なる。

以下は最近インターネットを検索して見つけた文だ。 ハンナラ党がMBC(文化放送)番組「PD手帳」を攻撃する文と誤解されやすい。 「今回の事態の教訓は2つある。 一つは、放送が政治的な意図で歪曲編集をしてはならないということ。 報道の原則は、自分が判断を下すのではなく、視聴者が正しい判断をするよう必要な事項をもれなく示すことだ。 二つ目は、ネチズンもメディアにだまされてすぐに興奮する癖を直すべきだ。たとえ興奮したとしても、そこで暴力に、それも集団暴力に進んでならばならないということだ」。2004年の陳重権(チン・ジュンクォン)氏の「MBCの幼稚な報復」と題した文だ。 いま陳氏は米国産牛肉反対陣営の‘討論の至尊’となった。 牛肉事態が激しくなり、舌禍が相次いでいる。 人気ある女性司会者が生放送中の失言で落馬し、ある女性アナウンサーは何度も公開謝罪をした。


左派であれ、右派であれ、昔の文であれ、発言までも検索して反対派の攻撃に力を尽くす姿だ。 討論と寛容は消え、理念対決と魔女狩りが広がる感じだ。 これではようやく積み上げた民主主義と表現の自由までも崩れないか心配だ。 自分に発言できず、文も書けない社会は正常でない。 ローマ教皇庁は1992年、魔女狩りとガリレイの宗教裁判について公式謝罪した。 地動説が出てきてからなんと360年目のことだった。



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