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ところが実際の状況は正反対だ。 先月上旬、ローマで45カ国の首脳と88カ国の閣僚が出席した中で開かれた国連の食糧サミットでは、バイオ燃料が俎上に載せられた。人間の空腹を満たすべき穀物が年間1億トンずつ自動車の燃料に使われれば、そうでなくとも急騰している穀物価格の上昇が加速するということだ。
全世界バイオ燃料生産量の3分の2以上を占める米国とブラジルは「穀物価格の上昇に及ぼす影響は小さい」と抗弁するのに及々とした。 米国のブッシュ政権は原油高と中東情勢の不安に対処するためにバイオ燃料消費を2倍以上に増やし、今後10年間に石油の消費を20%減らすと公言してきた。 ブラジルは1次石油危機を迎えた1973年からサトウキビをを利用してバイオ燃料を開発し始め、すでに日常生活に定着している。 米国・ブラジルと他の国の主張が対立したため、食糧サミットではバイオ燃料に関する明確な結論を出すことができなかった。
先週はコメが余っている日本で、コメからバイオ燃料をつくるという報道があった。 政府補助金を受けた農民組合員360人が高級米の代わりに価格の安い多収穫品種を植えて収穫した後、バイオエタノールを試験的に生産するということだ。 それも高価コメ品種であるコシヒカリの産地で有名な新潟でのことだ。 日本政府はまた、食糧危機に対応し、備蓄している輸入コメ150万トンの一部をエタノール製造に使用する方針という。 備蓄米を国際市場に出して穀物価格の安定に寄与しろという国際的な圧力まで高まっている渦中にだ。
地球村の一方では食糧価格暴騰の余波を受け飢餓で倒れる人々が続出しているが、もう一方では油の代わりに穀物を食べて走る自動車が増える。 穀物を食糧として売るよりも燃料にするほうが利益になる状況なら、いつかはトウモロコシだけでなくコメまでもエタノールに変身するかもしれない。 しかし人は自動車なしに生きることはできても、食糧がなければ生きられない。 環境危機も解決しなければならないが、食糧危機も目をつぶることはできない。 国連食糧サミットでは一つの解決策が出てきた。 食糧にならない植物性材料で「第2世代バイオ燃料」を普及させようということだ。 すでにヨーロッパでは開発が始まっている。
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