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◇拙戦の連続でファン離れも
許丁茂号は1月30日のチリ戦(0-1敗)でスタートし、東アジア選手権(1勝2分け)とワールドカップ(W杯)3次予選(3勝3分け)まで計10試合を行った。 結果は4勝1敗5分けで、15得点・8失点。
2月6日のトルクメニスタン戦(4-0勝)以外は印象的な試合がなかった。 特にFIFAランキング100位のヨルダンと118位の北朝鮮との計4試合は、苦戦の末、1勝3分けを記録した。 許丁茂監督は守備を重視するスタイルだ。 言い換えれば、攻撃サッカーに対する哲学が足りないという意味でもある。 こうした現象が続き、サッカーファンの失望感も高まっている。
◇サッカー哲学と戦術の不在
許丁茂監督のサッカー哲学は自分の経験に基づいている。 囲碁4段の許丁茂監督は自分のサッカー哲学を囲碁用語の「我生然後殺他」で説明する。 自分が安全であってこそ勝ちにいける、という意味だ。
サッカー哲学は遠大だが、きちんと具現されたことはない。 2000年アジアカップの不振で退任する場合も、許丁茂監督は‘無色無臭’という批判を受けた。 おもしろみのない戦術に決定力不足が問題だった。 試合がうまくいかなければ冷静さを失って慌てた。 今回の3次予選でも3月26日の南北戦(上海)がその例だ。 当時代表チームは攻守のバランスが崩れ、多くの問題点を露出した。 5月末からの4連戦を控えてチームを再整備する時間があったが、機会を逃した。
◇選手の気持ちもつかめず
許丁茂監督のチームで海外組と国内組の間には見えない壁がある。 監督がそうさせた面もある。 許丁茂監督は海外組選手に特別な指示を出さない。 海外組に対する態度も非常に軟らかい。 しかし国内組には厳しい。 練習中に同じミスをしても激しい叱責を受けるのは国内組だ。 あるエージェントは「主力でない選手のはく奪感が大きい。 代表チーム生活をしながらも透明人間のようだった、という心境を吐露する選手もいる」とチームの雰囲気を伝えた。 国内組を刺激する狙いがあったということだが、海外組が力を発揮できない状況だったため、説得力は落ちる。
◇変化が必要
最終予選までの準備期間は2カ月余り。 露出した問題点を徹底的にチェックし、変化を模索しなければならない。 監督自身を含め‘換骨脱胎’の変化でなければならない。 監督が自分の枠に選手を合わせるよりも、選手の能力を生かしながら戦術の完成度を高める必要がある。 また韓国サッカーの長所であるスピードとプレスを生かすために体力強化プログラムも導入しなければならない。 韓国サッカーが南アフリカワールドカップ(W杯)本戦進出に失敗すれば、長い暗黒期に陥るのは明らかだ。
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