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「インターネットの父」と「大韓民国初めての宇宙飛行士」が会った。
ビントン・サーフ(65、米検索エンジン最大手・グーグルの副社長兼チーフ・インターネット・エバンジェリスト)博士は19日午前、ソウル江南区駅三洞(カンナムグ・ヨクサムドン)グーグル・コリアの本社でイ・ソヨン(30、韓国航空宇宙研究院)さんを温かく迎えた。
インターネットの誕生と人類の月探査は同じ年の1969年に実現された。2人はその意味を再確認し▽宇宙とインターネット▽ネットによるプラスの影響とマイナスの影響▽疎通の問題--などについて、90分間にわたり世代を跳び越えた対話を交わした。
サーフ=イさんが本当にうらやましい。私がSF小説などでしか出会えない空間を実際に体験している。私も常に宇宙に大きな関心があった。それでいまは宇宙飛行士が地球とコミュニケーションできる「惑星同士(Interplanetary)の宇宙インターネットプロジェクト」に力を注いでいる。
イ=惑星同士の宇宙インターネット計画はどこまで進んでいるか。
サーフ=年内に「ディープインパクト(Deep Impact)」と呼ばれる宇宙インターネット・プラットホームを用いて惑星同士のプロトコル(通信規約)テストを終えることになるだろう。来年には宇宙ステーションで実際にテストを行うつもりだ。宇宙空間での通信は遅れたり切れたりする場合が多く、それを克服できる新しいプロトコルと通信網が必要とされる。最終のテストが成功すれば、宇宙船と地球のコンピューターをインターネットでつなぐことができるようになる。
イ=宇宙でインターネットが可能になって、人類にとってプラスになる点は。
サーフ=宇宙には多くの電波があり、電子機器がまともに作動できない。しかし各種の電波を避けてインターネットにつなぐ方法が見いだされれば、宇宙の遠くにあるほかの諸機器を正常に使うことができるようになるだろう。地球の科学者と宇宙飛行士が自由に交信できるのはもちろんだ。ところで宇宙船から地球を眺める際、どんなことを思ったのか。
イ=宇宙飛行士になる前には私も時々他人の悪口を言ったり、環境に不満を吐露することもあった。でも宇宙から地球を眺めてみると、美しすぎて「あんな所に住んでいるのに不満を持つことはできない」という気がした。
サーフ=すべての人々がイさんのような経験をすることができれば、そしてこの美しい地球が6個でも200個でもなく、ただ1つだけであることを切実に感じることができれば、世の中がはるかに良くなるだろう。
イ=科学に携わる韓国人にとってサーフ博士は有名人。どのようにしてインターネットを創案することになったのか。
サーフ=最初はラジオ、有線通信、モバイルの相互アクセスを円滑化させる「パケットスイッチング技術」を開発するつもりだった。ところが制約が非常に多く、それを避けていくうちに、かえって設計を非常に単純化することに成功した。私たちが設計したネットワークは電送される情報が音声なのかデータなのかネットワークそのものでは認識できない。「ビット(0または1)」として認識するだけだ。それによってネットワークの環境が非常に柔軟になり、誰もが新しいアプリケーションを使いたければ、ネットワークにそのまま載せればいい。
イ=近ごろはそれこそ「情報の洪水」の時代だ。何が正確か判明するのが容易ではない。ある人は従来のメディアよりインターネット上の情報がより正確だと考える。
サーフ=情報に接する際には、批判的思考を持たなければならない。すべての情報はそれぞれ異なる正確度を持っている。テレビのショー番組や新聞もどんなブランドか次第で信頼度が変わる。特にネット上の情報は容易に手に入れることができることから、正確だと勘違いしやすい。初めて接する情報の正確性を判断するのは簡単ではない。現在目の前にある情報のほかに、それに関連したほかの諸内容も知っていてこそ判断が可能だ。また、私は「悪い情報への解毒剤の方が情報として多い」と考えている。
→「ハングルで世界の人々とチャット」(2)へ続く
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