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<サッカー>南北、争いながらW杯揃って進出を夢見る



争うのは四角形のフィールドの中だけで、フィールドの外ではひとつだった。

韓国の首都、ソウル。この国の公共の場所に北朝鮮国旗が翻り、北朝鮮の愛国歌が鳴り渡ったことが今までにあっただだろうか。


ソウルで初めて、南北サッカー戦が行われたのは1990年10月23日の南北統一親善サッカーだ。

昨今の政治情勢が10年間以上にわたり溶かしてきた南北関係を一瞬のうちに凍りつかせたとしても、全世界が共感するサッカーの世界では、南と北が再びひとつになった。

北朝鮮の選手がグラウンド中央に出て、手を挙げてあいさつをすると、 試合会場は割れんばかりの拍手でいっぱいになった。北朝鮮の攻撃手、鄭大世(チョン・テセ)はW杯競技場をぎっしりと埋めつくした赤い波を珍しく思ったのか、会場のあちこちを見まわした。

愛国歌が響きわたり、レッドデビルズが大きな太極旗(テグッキ、注:韓国の国旗)を持ち上げたときも、レッドデビルズを横目で見ていた。6.15南北共同宣言実践委員会の会員約500人は本部席左のゴールポスト裏で大きな韓半島旗を掲げ、友情を分かち合った。

試合中「私たちはひとつだ」「祖国統一」を連呼し、北朝鮮を応援した。試合を終えた南北の選手らは、互いにしっかりと抱き合って激励し、史上初の2010南アフリカW杯に共に進出するという大きな夢を抱いた。





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