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要点は3つ。まず日本が主張する排他的経済水域(EEZ)の境(両国中間線)にまたがる翌檜(中国名龍井)周辺海域を共同開発することにした。自国の大陸棚が終わる地点を領海と主張した中国側から見れば主権海域内だ。中国がすでに独自開発を始めた白樺(中国名春暁)ガス田に対する日本側の出資も許可された。最後にガス田周辺海域に対する共同開発もずっと協議していこうと約束した。
中国外交部長の姜瑜スポークスマンは「中国は“同じことを追い求めるが、違うことも認める精神(求同存異)”を発揮し、互いに勝利する成果を導き出した」と自評した。中国政府のある消息筋は「今回の合意の核心は第1報と戦略的選択という2つ」だと強調した。共同開発することで合意した区域は2600平方キロにすぎないが、象徴性は大きい。協力が順調な場合、共同開発を全海域に拡大することもできるからだ。領土に関する争いはいつ結論が出るかわからない事案だ。しかし今回共同開発することで合意した海域一帯は“第2の中東”と呼ばれるほど原油やガス埋蔵量が豊かなものと予想される地域だ。中国油田の専門家たちは「この地域に埋蔵されているガスは約5兆立方メートル、原油は1000億バレル程度になる」と推算している。
現在、中国はエネルギー確保を“国家の死活的課題”と規定している。国家最高リーダーの国外歴訪は間違いなくエネルギー確保にその焦点が合わせられている。こうした状況からいつまでも日本と領有権争いがある地域問題で国境線争いばかりしているわけにはいかないというのが中国政府の判断だ。国境線問題はひとまず追後協議事項とし、開発からしてみようという計算だ。
ほかにもある。日本と共同開発する場合、日本の先進技術を伝授してもらう利益も無視できない。紛争の余地をなくして外資も誘致しやすい。技術と資本を一度に手にすることができるという話だ。米国の同盟国である日本を中国の側につけ、地域内の安保及び国際政治的協力も強化できることになった。
日本も外交・政治・経済ですべて成果をおさめたものと評価している。まず領土に関して日本の主張を貫徹できたという点だ。日本は韓国とは独島(トクト、日本名竹島)に対し、ロシアとは北方領土に対して領有権を主張し、国際的に領土紛争を掲げる国家だという目で見られてきたのが事実だ。しかし今回の合意で少なくとも東シナ海周辺に対して全く根拠のない主張をしてきていなかったと認められたわけだ。国内政治的でも相当なプラスになる部分だ。
実際に多くの埋蔵量が発見されれば、日本はかなり実利を取れることになる。共同開発の価値は単純に資源開発利益を共有することだけにとどまらない。米国中心の北東アジア安保体制でずっとライバルとばかり認識してきた中国を、新たな協力のパートナーとする効果も得た。一方で争いながらも巨大な中国市場をじっくりと攻略する土台を築いたわけだ。
東シナ海油田は両国関係改善の最大の障害物だった。この問題が解けて、日中は軍事、政治、外交、経済のすべての分野で名実共に“戦略的互恵”関係を築くことになる。日本メディアは「過去とは次元が全く違った関係に格上げされるきっかけ」と評価した。アジアの2つの大国が見せる戦略的歩みに世界的な関心が集まっている。
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