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キムチに関する本だけで、ここ3年の間に9冊書いた。
キムチのステイタスの高さを肌で感じてみようと日本と中国30の地域を回った。「月刊写真」で高く評価された腕を発揮し、行く先々でキムチを写真に写した。彼のキムチ書籍4冊は写真集だ。からし菜が肝を保護するということを骨子とした論文を「Journal of Medicinal Food」に掲載した。
この程度になればキムチオタク博士と言ってもよさそうだ。順天大漢方薬資源学科のパク・ジョンチョル教授がその主人公だ。キムチ事業団順天大センター長である彼が伝える“キムチ三国志”を見てみよう。
◇韓国では坑がん食品=韓国はキムチ宗主国。国際食品規格委員会(CODEX)は、2000年韓国の主張どおりキムチを「野菜を塩に漬けた後、味付けをして低温で乳酸菌発酵させたもの」と規定した。当時、日本は浅付けも含むよう要求したが、認められなかった。韓国ではキムチの坑がん効果が最近目立っている。関連研究も相次いで発表された。キムチの3大がん予防成分には乳酸菌、有機酸、食物纎維が挙げられる。抗がん力を高める方法は2つだ。ニンニク、唐辛子粉をたくさん入れる、あるいは山椒、ニラ、緑茶、トウキ、ヤドリギ抽出物などを副材料として添加すること。このときできるだけ塩は少なくしなければならない。
◇日本ではダイエット食品=日本のキムチは発効しない浅漬け野菜。日本人が嫌がるニンニク、塩辛、唐辛子を抜いて甘味を高めた。
朴教授は日本でいちばん規模が大きいキムチ市場として大阪の鶴橋市場を挙げた。次は大阪のコリアタウン、東京の上野キムチ市場、福岡キムチ市場の順だそうだ。日本でキムチはダイエット食品として通じる。若い女性を中心に辛いキムチを求める人が増えたのは 「唐辛子粉のカプサイシンが脂肪を分解する」といううわさが流れたからだ。ボディマス指数(BMI、体重と身長の関係から算出した、ヒトの肥満度を表す指数)25以上の肥満女子中学生を対象にフリーズドライのキムチ3グラム(生キムチ30gに該当)を錠剤形態で6週間摂取させたら体脂肪が平均 5.1%減少したという研究論文もある。特に「キムチ+運動」を一緒にしたグループは運動しかしないグループに比べ、体脂肪が目立って減った。
◇中国では美容食品=塩辛を多く入れたキムチは中国ではあまり人気がない。それに中国人は唐辛子粉があまり使われないキムチを買い求める。広西壮族自治区のある食堂で朴教授はキムチ広報物に“韓流スターキム・ヒソン”が扱われたことに注目した。広報物には「韓国最高の美女キム・ヒソンの美貌の秘訣は毎日60グラムのキムチを食べることにある」と書いてあった。それは「キムチを美容食品と考えたのはキムチのダイエット、老化抑制効果を強調したもの」と解釈した。中国ではキムチが鳥インフルエンザやSARS(重症急性呼吸器症候群、新型肺炎)予防食品として紹介され、ブームとなった。キムチの乳酸菌は腸内に住む有害菌の増殖を抑制するだけでなく、鳥インフルエンザ、新型肺炎の原因ウイルスを殺す抗ウイルス効果を表すものと伝わった。
◇国内では粗末にされて=日本ではビールのつまみとしてキムチが人気だ。朴教授は富山のある食堂でビールを注文したらキムチを無料でサービスするというのに興味をもった。キムチと豚肉を一緒に料理したキムチどんぶりも24時間チェーン店で販売されている。
中国も料理にキムチを積極的に活用する。上海のある食堂メニューにはキムチギョーザジョンゴルがある。北朝鮮もキムチ切手を発行するなど、キムチに対する愛情が深い。
一方、韓国ではキムチ消費量が毎年減っている。特に幼いほどキムチ摂取量が少ないことを彼は残念そうにしている。
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